映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「ジェイソン・ボーン」を観た

ジェイソン・ボーン」を観た。

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監督:ポール・グリーングラス

日本公開:2016年

 

ボーンシリーズの第5作目だが、4作目はジェレミー・レナー主演だった為、マット・デイモンのボーンシリーズとしては、2007年の「ボーン・アルティメイタム」以来。約9年ぶりの新作である。監督は2作目と3作目でメガホンを取ったポール・グリーングラスが再起用された。公開直後なので、今回は詳細には触れずザックリとした感想を書きたい。

 

感想

まずボーンシリーズのファンなら、普通に楽しめる良作だと思う。久しぶりにジェイソン・ボーンとしてスクリーンに登場したマット・デイモンは、筋肉隆々で身体もしっかり作られており、加齢もある意味「渋さ」と感じられてルックスは良い感じである。

 

今作は正直、シリーズとしてもストーリーは余り動かないと言って良いだろう。シナリオ的な意外性や、意表を突いた展開は無い。この作品を簡単に一言で言えば「お金のかかった鬼ごっこ映画」である。CIAが鬼でボーンが逃げるという展開を、色んなパターンで楽しめる作品だ。そこにもう一人の鬼役である殺し屋ヴァンサン・カッセルが絡んで、それぞれの位置関係をCIA(鬼役)のモニターや無線で確認しながら、ボーンが無事に逃げ切れるのかどうかをドキドキしながら見守るのだが、これはやはりシリーズの十八番として結構楽しめる。

 

ただし乗り物に乗ってしまい、いわゆるカーチェイスシーンが始まると、既視感たっぷりのいつものアクションシークエンスになってしまう。ポール・グリーングラス監督特有の細かいカット割りと、ステディカムのグラグラする映像にテンポの良い音楽が付いて、映像を盛り上げる。今回のチェイスシーンは、とにかく派手に車が大破し、なぎ倒される。一体、いくら撮影に費用がかかっているのか、こちらが心配になる位だ。

 

だが正直カーチェイス自体にもはや新鮮さが無い為、いくら派手に車がひっくり返ろうが大破しようが心は踊らない。これが同じスパイものでも「ミッション・インポッシブル」や「007」のシリーズとの最大の違いだろう。映画には作品ごとに「リアリティライン」というのがあり、作品の世界観の中で「ここまではOK」というラインがある。

 

「イーサン・ハントはドバイ超高層ビルのガラスに、特殊な手袋で張り付いて登ってもOK」

「ジェイムズ・ボンドの車は、後方に火炎放射出来たり、パラシュートが積んであってもOK」

 

というやつである。では「ボーン」シリーズはどうかといえば、基本的にはリアル志向の作品である為、それ程突拍子もないシークエンスは作りづらく、アクションもカーチェイスか殴り合いの派生に限定されてしまう。当然見せ方は工夫されているし、極力CGを使わない画作りには共感できる。前述の通りに、とにかく大掛かりなシーンの連続の為、映画としての見応えはあるが、アクションに新しさを感じないのはこのジャンルではなかなか厳しいものがある。

 

この映画の終わり方を見ると、まだ次回以降もシリーズは続きそうなので、もう少し「鬼ごっこ」に頭脳的な駆け引きの要素を入れると良いかなと感じた。今作も、ボーンがビルの火災報知器を操作して、意図的にビルから人を避難させる事により、ターゲットを紛れ込ませて連れ出すシーンは面白かった。

 

シリーズ映画の最大の強敵は、CIAでも悪の組織でも無く「観客の飽き」だ。マンネリを脱却した次のジェイソン・ボーンが早く観たいと思う。