映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を観た

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を観た。

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監督:デビッド・イェーツ

日本公開:2016年

 

J・K・ローリング原作、ハリー・ポッターシリーズの5〜8作目を監督したデビッド・イェーツが手掛ける、ハリポタ新シリーズの第一弾「ファンタビ」。元になったのは「幻の動物とその生息地」というタイトルの本らしいが、本作の主役ニュート・スキャマンダーを「レ・ミゼラブル」や「博士と彼女のセオリー」のエディ・レッドメインが演じている。僕はハリー・ポッターシリーズ全作品は一応観ているが、特に思い入れのあるファンでは無いので、今回はその前提での感想になる。

 

あらすじ

舞台はハリー・ポッターの世界から約70年前の1920年のNY。街では"黒い影"による襲撃が街を破壊する事件が度々起きていた。そんな中ホグワーツで魔法を学び、魔法動物を巡って世界を旅するニュートは、NYに入国するが、誤って都会でトランクに匿っていた魔法動物を逃してしまう。

 

偶然魔法動物を見てしまったジェイコブやアメリカ魔法議会のゴールドスタイン姉妹と協力し、逃げ出した魔法動物の捕獲を続けるニュートたち。だが、同時期に発生した「オブスキュラス」による若き大統領候補の殺害を魔法動物によるものと疑いを掛けられてしまい、米国魔省トップクラスの実力者で“闇祓い”と呼ばれる凄腕魔法使いのグレイブスに捕まってしまう。

 

なんとか脱出に成功した一同。魔法動物を全て捕獲した一同が見たのは、街を破壊しているオブスキュラスだった。オブスキュラスが暴走を続けると、魔法の存在が人間に知れ渡ってしまう。このままでは魔法使いと人間の戦いは免れない。事件の裏には、悪の魔法使いグリンデルバルトの影がチラついていた。

 

感想

まずハリー・ポッターの世界観が好きな方には楽しめる作品と言って良いだろう。特に魔法動物のニフラーというジュエリーやコインを集めるキャラクターの可愛さや、ボウトラックルという小さな植物生物の動きなど、演出込みでとても楽しいシーンになっている。VFXを多用した派手な画作りも、正直、既視感は強いがとてもリッチで見栄えは良い。だが良くも悪くもハリーポッター第1作目の様に、余りにストーリー自体の吸引力が弱く、シーン毎のビジュアルや演出は良いのだが、この先が気になるというストーリー展開に転がっていかない。

 

観ている観客に対して、魔法動物を捕まえるという大雑把な目的しか提示されない上に、このまま魔法動物を放っておくと大変な事態になるという描写も無いので、目的に対しての切迫感も無い。更に、映画の前半に現れる「暴走する黒い影(オブスキュラス)」も、ニュートの逃した魔法動物たちとは関係無い事を観客は知っている為、この映画の本題がニュート達の行動や目的となかなかリンクしてこない。よって物語の全体像が漫然となり、後半まで極めて地味で鈍重なストーリー運びとなってしまっていると思う。

 

更に葛藤や成長という要素もこの映画の主人公には無く、その場その場で直面する状況に対して、受動的に行動しているだけ。ネタバレになるが、ラストの敵すら他の魔法使い達に倒されてしまうという、あまりに不甲斐ない主人公に心底ガッカリした。スタイルも良いし表情も豊かなエディ・レッドメインだが、このニュートというキャラクターにどうにも魅力が薄い様に感じる。

 

また一緒に行動するジェイコブという人間キャラも、コメディリリーフとしての役割はかろうじて全うしているが、特に特筆すべき活躍の場がある訳でも無いし、クイーニーという女性キャラクターと恋に落ちる過程も説明が無さすぎて唐突だ。

 

とにかくストーリー展開や、キャラクターの掘り下げは正直残念な出来と言って良いだろう。個人的にはあまりノレない映画だった。ただし、前述の様にいわゆる「ハリー・ポッターを観ている感」は強いので、シリーズのファンは楽しめる作品にはなっていると思う。また画面は派手だしキャラクターは立っているので、ファミリームービーとしても悪く無い。まだシリーズは始まったばかりという事で、ラストに登場した悪の魔法使いグリンデルバルト役のジョニー・デップと共に、第二作目はもう少し良作になる事を期待したい。次回作はデビッド・イェーツ監督続投で、2018年公開予定だ。