映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「ローグ・ワン」を観た

「ローグ・ワン」を観た。

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監督:ギャレス・エドワーズ

日本公開:2016年

 

スター・ウォーズシリーズのスピンオフ作品がようやく公開になった。2016年最後の大作だろう。監督は2014年度ハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」のギャレス・エドワーズ。今作は、エピソード4で激戦の舞台となる超兵器デス・スターの設計図を手に入れるために、立ち上がった「ならずもの(ローグ)」たちの物語だ。

感想(若干ネタバレ)

エピソード4の中で、「この設計図を帝国軍から盗み出すために沢山の犠牲が出ました」という台詞があるが、簡単に言えばこの台詞を134分の映画にしたのが、本作である。

 

なので、観る前からこの物語がどの様な結末になるのかは想像が着くし、実際にほぼその通りにストーリーは進む。正直、エピソード7であったような想定外の出来事や、ストーリー的な驚きは無いと言って良いだろう。地上戦、宇宙戦に分かれて、シールドを解除する後半の流れも含めて、「これぞスター・ウォーズ」というストーリー展開だ。

 

ローグ・ワンのキャラクターについては、シリーズ初のアジア人キャストのドニー・イェン演じるチアルートが抜群に良い。彼のアクションシーンは全て、最高の切れ味で見応えがある。本作はジェダイが登場しないので、いわゆるライトセーバーを用いたジェダイアクションが無い。そこを埋める為の要員として十分な活躍だったが、正直もう少し出番が欲しかった。この作品の中での初登場キャラの中では、圧倒的な存在感だっただけにもったいない。

 

一方、本作の主人公フェリシティ・ジョーンズ演じるジン・アーソはと言えば、とても地味なキャラクターだ。特に特別な運命や才能がある設定では無いので仕方ないが、デス・スターの設計者を父に持つ娘という設定以上の何かがある訳ではないし、父親との別れのシーンはあるが、劇中で著しい成長や葛藤がある訳でも無い為、割と印象の薄いキャラクターになってしまっていると思う。

 

この映画全般、正直初登場キャラクターの魅力は、エピソード7のレイやフィンに比べると薄い。当然、悲劇的な運命にあるメンバーなので過度なキャラ立ちは難しいだろうが、C3POR2D2、ダースベイダー、レイア姫といった既存キャラが登場した時のテンションの上がり具合と比べると、スピンオフとはいえスター・ウォーズの新作としては少し寂しい結果になってしまっている。

 

更に特にストーリー前半の間延び感は如何ともし難い。はっきり言って退屈だと言って良いだろう。前述の様にストーリーの全容がある程度分かっているし、ムダに複雑な上にご都合主義な展開に、なかなか興味が持続しない。画面に映る「スター・ウォーズ的な世界観」のお陰でなんとか観ていられるが、細かい説明の為のシーンが続くだけのシナリオ運びに、映画中盤で「これはさすがにマズイのでは無いか」と本気で心配になった程だ。

 

とはいえ、最後まで観ればスター・ウォーズファンを満足させるだけの出来にはなっていると思う。まぎれもなく、あのスター・ウォーズの世界観をしっかり踏襲した作品になっているし、特にラスト20分のアクションシーンは、まるで戦争映画を観ているような、臨場感のある戦闘シーンになっている。特にエピソード4に続く一連のシーンの流れは素晴らしい。まさしく、デス・スターを破壊するシーンを既に知っている僕たちは、この映画のラストシーンに「希望」を感じる。「新たなる希望」であるルーク・スカイウォーカーハン・ソロ、レイア達が、エピソード4で活躍する姿を頭に浮かべながら、本作のエンドクレジットを観るのである。

 

今作「ローグ・ワン」は、いわゆる単体としての完成度は、そこまで高くは無いかもしれない。だが、スター・ウォーズシリーズが今まで僕たちファンに残してきてくれた記憶や思い出が深ければ深い程、ギャレス・エドワーズ監督を始め、作り手が各シーンに刻んだ過去作へのオマージュや愛情に反応して、評価が高まる作品だろう。今、大画面の劇場で観ておく価値は充分にある。

 

エンドクレジットが終わって、劇場が明るくなった時に隣に座っていた40代後半くらいの男性が、涙を拭っているのを見て、改めてスター・ウォーズという作品が持つ特別な力を感じさせられた。来年2017年12月公開予定のエピソード8、僕も本気で期待している。監督は「LOOPER/ルーパー」のライアン・ジョンソン。まだ若手でスター・ウォーズの監督としては大抜擢だが、きっとやってくれると信じている。May  the Force be with you!