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映画「グレートウォール」ネタバレ感想&解説

「グレートウォール」を観た。

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初恋のきた道」「HERO」「LOVERS」チャン・イーモウ監督の最新作。なんとマット・デイモン主演のアクション映画である。予告編を観る限り、ダメ映画の予感しかしなかったので正直、相当観に行くのに躊躇したていた。だが、なんとか自分を奮い立たせて「グレートウォール」に臨んだ訳だが、これが思いの外、面白い作品で楽しめた。

 

監督:チャン・イーモウ

出演:マット・デイモンアンディ・ラウウィレム・デフォー

日本公開:2017年

 

あらすじ

ウィリアムら傭兵部隊は幻の「黒火薬」を求めて、中国国境付近を旅していた。だが、馬賊に攻撃された上に、野営中に謎の獣に襲われる。なんとか生き残ったウィリアムとトバールの2人は、中国の禁軍が守る万里の長城にたどり着くものの降伏を余儀なくされ、拘束される。なんとか処刑を免れた2人は自分たちを襲った獣が饕餮(とうてつ)という怪物であり、万里の長城がその群れを首都に入れないための防壁だという事、60年に一度この地に怪物がやって来て人間たちを根絶やしにしようとしており、現在禁軍は60年に一度の戦いの最中である事を知る。そして、万里の長城に無数の獣が迫ってきた時、人類と怪物の激しい戦いが始まるのだった。

 

感想&解説

チャン・イーモウ監督作を久しぶりに観た気がする。高倉健主演で「単騎、千里を走る」という作品が少し話題になったが、それでも2006年の作品である。日本ではやはり2002年「HERO」が有名だろうか。ジェット・リートニー・レオン、チャン・ツィーといった香港スター俳優が大挙して出演しており、かなりプロモーションも派手に展開していた記憶がある。お世話にも名作とは言いづらい映画だったが、独特のビジュアルセンスで今も記憶には残っている作品だ。

 

さて「グレートウォール」であるが、ほぼあらすじから予想出来る範囲でストーリーは進み、ラストも驚きは無い。マット・デイモンが故郷から遠く離れた地で、自らの「本当に成すべきこと」に気付き、人種を越えて協力し合いながら謎の怪物と戦い、勝利するという話である。だが、この映画の最大の魅力は、この化け物と戦う際の「戦術」と「その映像化」である。

 

いわゆるタワーディフェンス型と言われるタイプの「数多くの迫り来る敵から、何かを守り抜く」事を目的とした作品で、その為の万里の長城という設定であるが、この怪物の数が半端ではない。「ロード・オブ・ザ・リング」や「ワールド・ウォーZ」的と言えば、ピンと来るかもしれないが、画面を埋め尽くす怪物達が、とにかく万里の長城の壁を登って攻め入ってくるのである。そして、それに対抗する人間達のアイデアが面白い。ここがこの映画の最大の魅力なので、あまりネタバレはしないが、女性兵士軍による青の槍部隊などその凛々しい鎧姿を含めてカッコ良いし、戦い方も映像的に素晴らしい。壁からハサミでチョッキンとか敵が近付くと音で報せる矢とか、もう完全に漫画的な描写が満載なのだが、僕は観ている間ニヤニヤが止まらなかった。とにかく懐かしい少年漫画のノリで、燃える展開に身を委ねていればあっという間にエンディングになる。

 

何故か2007年のザック・スナイダー監督作「300」を思い出したが、「燃える展開」と言えば当たらずとも遠からずだろう。とにかく何も考えないで楽しんで観るには、最適の作品だと思う。アンディ・ラウの相変わらずクールな姿も観れたし、期待度か低かったからか個人的には満足な映画であった。あと、ウィレム・デフォーの無駄遣いっぷりも必見である。

採点:4.5(10点満点)

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