映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「ワイルド・スピード ICE BREAK」を観た

ワイルド・スピード ICE BREAK」を観た。

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監督:F・ゲイリー・グレイ

日本公開:2017年

 

ワイルド・スピードシリーズも遂に8作目。前作「SKY MISSION」の撮影中にポール・ウォーカーが不慮の事故の為に亡くなった為、ブライアンの物語は前作までで、ある意味今作からまた仕切り直しの新シリーズである。ヴィン・ディーゼルいわく、最終章三部作の一話という位置づけのようだ。相変わらず、良くも悪くもワイルド・スピードシリーズ最新作として、突出した個性を放っていた。今回もネタバレありで。

 

感想

よくもまぁ、これだけバカバカしいシーンが思いつくなと心底感心するほど、派手で、あり得ないアクションシークエンスが満載の作品である。これだけ何も考えないで楽しめるアクション映画も、むしろ貴重だろう。アクションシーンが、ストーリー上の必然性から発生しておらず、作り手の「こんなアクションシーンをやりたい」から発想されているのは明白で、ストーリーはかなり単純化されている。

 

だから、「何故その目的の為に、そこまでやる必要があるの?それ、どうやって準備したの?」というシーンが多く、特に劇中で「ゾンビタイム」と言われていたニューヨークの街中で、路上に停めてある車をハイジャックして(!)、何十台と激突させて道を塞いだり、ビルの駐車場から雨のように墜落させたりと、劇中でも屈指の見せ場になっていたあのシーンが顕著だが、キャラクターの行動に効率や工数、コスト感といった普通の大人が持っている概念はゼロである。

 

良く考えれば今回の悪役シャーリーズ・セロン演じる天才ハッカーサイファーがやりたかった事は、ロシア大使の乗るリムジンを足留めして、中にあるスーツケースを奪う事だけのはず。何故、あの阿鼻叫喚の大騒ぎが必要なのか?と言われれば、「だってワイルド・スピードシリーズだから」という他はない。

 

その他、シリーズを重ねる毎に「最強の敵は明日の親友」という少年ジャンプ的な展開が大胆になり過ぎて、前作「SKY MISSON」であれだけ最強の悪玉感を醸し出していた、ジェイソン・ステイサム演じるデッカードが、今作のラストではすっかりファミリー化して談笑している様には、流石に苦笑いが出た。デッカードはドミニクの仲間だったあのハンを直接的に殺した張本人なのにも関わらず、意外とアッサリとした心境の変化だなと思わざる得ない。今回のドミニクとエレナの赤ちゃん騒動も、完全にドミニクがファミリーを裏切る理由だけの設定で、後出しジャンケン感がすごい。シナリオライターの苦悩が透けて見えるようだが、「ワイルド・スピード」シリーズに、そのあたりの整合性をいちいちツッコんでも仕方ない事は百も承知である。

 

ラストの潜水艦との氷上追いかけっこも含めて、どこまで荒唐無稽なアクションシーンが観られるかを楽しむシリーズとして割り切れば、メチャクチャ楽しい映画である事は間違いない為、続編2作も必ず観に行くつもりだ。あと、今作の監督である、F・ゲイリー・グレイは前作の「ストレイト・アウタ・コンプトン」が傑作なので、こちらも特に音楽ファンには強くオススメしておきたい。