映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「殺人の告白」を観た

「殺人の告白」を観た。

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監督:チョン・ビョンギル

出演:パク・シフ、チョン・ジェヨン、チョ・ウンジ

日本公開:2013年

 

「アジョシ」に続いて韓国映画を観た。本作は劇場公開時に観た記憶があったが、実はあまり記憶に残っておらず、今回はブルーレイで改めて再見。後半の展開など全く覚えていなかったせいか、驚く程面白い映画であった。今回はネタバレ無しで。

 

あらすじ

10人の女性を殺害し世間を騒がした連続殺人事件から15年後、時効が成立したと同時にイ・ドゥソクという男が自らが犯人だと名乗り出る。しかも、彼は自分の犯した殺人事件について詳細に記した本を出版する。その衝撃的な内容と俳優のように美しいルックスが相まって、一躍人気者となったイ・ドゥソク。だが犯人を探し続けてきた刑事や、恨みを抱く遺族たちが黙って見ているはずもなかった。本の中に最後の未解決失踪事件の真相が書かれていないことに気付いた刑事チェ・ヒョングは、ドゥソクに向かって「お前は真犯人では無い。ただの詐欺罪で逮捕されるだろう」と言い放つ。そんな中、自分こそが真犯人だと主張するJと名乗る男が現れる。

 

感想

韓国映画にハマりつつある。「殺人の追憶」や「オールド・ボーイ」「息もできない」「チェイサー」など、韓国映画の傑作は多く、近作でも「哭声/コクソン」や「お嬢さん」など、ハリウッドの映画では出来ない個性的な作品が数多く公開されている。そんな中、個人的にはまだまだ観ていない過去作品も多く、「海にかかる霧」や「サニー 永遠の仲間たち」「新しき世界」など、これからブルーレイで空いた時間にぼちぼち観ようと思っている。キム・ギドク監督の初期作品も再販されるようだし。

 

さてそんな中、本作「殺人の告白」である。6月公開で、この日本でも「22年目の告白-私が殺人犯です-」というタイトルでリメイク作品が劇場公開されるそうだ。正直、あまりストーリーを覚えておらず、軽い気持ちで今回観直してみた訳だが、これが大変よく出来たエンターテイメント作品となっていて感心した。やはりコリアンムービー、恐るべしである。

 

まず冒頭の刑事と犯人の追っかけっこアクションシーンから、クオリティが半端ない。雨の中の逃走劇など過去作に山ほどあったが、追う方も追われる方も身体能力がすごいので、とにかく緊迫感溢れる名シーンになっており見事だ。また映画中盤の車を使った誘拐シーンは、「やり過ぎ感」が満載なアクションシーンで素直に楽しめる。ただ、冒頭のハードでダークなアクションシーンに比べて、このシーンは映画のトーンがかなりコメディタッチになる為、「あれっ?この映画、思ったより軽いトーンで進むのかな?」と心配になるが、実は映画後半にはズッシリと重厚かつ、驚きの展開が待っているのである。

 

これは素直に脚本が上手いのだと思う。巧妙なミスリードが張り巡らされているが、ロジカルに真相が明かされるので理不尽さは感じず、綺麗に騙される事が出来る。ラスト20分間は、文字通り「どんでん返し」の驚きに身を任せていれば良い訳だ。もちろんストーリーの本筋に、ツッコミどころが無い訳ではない。作戦の成功確率に対して、規模がデカ過ぎて色々リスクがあり過ぎる作戦なので、「彼ら」が無謀に見えなくもないが、サスペンス系のエンターテイメント作品としては、かなり良く出来ているプロットなのではないだろうか。「腕時計」などの小道具にも細かい伏線が張ってあり、それらもしっかり回収されるし、ストーリー全体は後味の良い話ではないが、ラストの余韻は希望を感じさせていて悪くない。

 

日本版リメイク作品「22年目の告白-私が殺人犯です-」が、どこまで忠実にストーリーを踏襲するのかは分からないが、これだけよく出来たお話を変更する必要があるとは思えない。ただ、リメイク版は藤原竜也伊藤英明が主演という事で、日本の市場向けに脚本を改悪される可能性がゼロではない。本作がよく出来た作品だっただけに、名作「SR サイタマノラッパー」の入江悠監督がリメイク版をどう料理するかが楽しみだ。