映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「マイティ・ソー バトルロイヤル」を観た(感想&解説アリ)

マイティ・ソー バトルロイヤル」を観た。

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監督:タイカ・ワイティティ
出演:クリス・ヘムズワースケイト・ブランシェットトム・ヒドルストン
日本公開:2017年

 

マイティ・ソー」シリーズの第三弾であり、「マーベル・シネマティック・ユニバース」としては、17作目となる本作。時系列としては、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の2年後が舞台となり、1年後が舞台だった「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」では登場しなかったソーとハルクが主人公となる。今回はネタバレ無しで。

 

感想&解説

シリーズ三作目にして、かなり作風を変えてきたなぁという印象だ。身もふたもない言い方をするなら「デッドプール」+「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。いわばコメディ路線である。事実、僕も声を上げて笑ってしまったシーンがいくつもある。アメリカでのオープニング興行収益も過去作を大幅に上回る成績でスタートしており、なんとリブート一作目の「スパイダーマン:ホームカミング」をも越えたそうだ。これは女性客の取り込みに成功した事の現れで、主演のクリス・ヘムズワースの人気もさる事ながら、広い層にこのコメディ路線が受け入れられた事の証明だろう。

 

これは今後のシネマティック・ユニバースを考えた上での、路線変更である事は間違いない。次回のアベンジャーズ三作目「インフィニティ・ウォー」では、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメンバー参戦がすでに発表されているが、今のアベンジャーズのメンバーにそのまま彼らを混ぜると、コメディ色が強すぎて浮いてしまう。かといって、ガーディアンズのキャラを活かさない手はない訳で、ソーとハルクがその中和剤となり、アベンジャーズメンバーとの橋渡し役を担うという事だろう。これだけ本作でソーの「お笑い担当ぶり」を確立しておけば、それも全く問題ない。アライグマのロケットがハルクやソーに絡んでいるシーンが、今から目に浮かぶ

 

映画単体の出来としては、素直に楽しめるSFアクションコメディといったところだ。主役キャラはもちろんの事、敵役のケイト・ブランシェットのゴージャス感や、相変わらずのトリックスターぶりを魅せるトム・ヒドルストンも存在感があって良い。そして、何より本作の魅力は、惑星サカールの独裁者「グランドマスター」役のジェフ・ゴールドブラムだろう。ジェフ・ゴールドブラムといえば、1986年「ザ・フライ」の主人公セスや、1993年「ジュラシック・パーク」のマルコム博士役の、どちらかといえばクールな役が有名だが、まさか彼がこれほどコメディに向いているとは思わなかった。ちょっとした表情の変化や、セリフの間で笑わせてくれるのだ。本作、各キャラクターが非常に魅力的なのである。

 

アクションシーンは、ゲームの「戦国無双」シリーズ実写版が如く、ソーが迫り来る敵を次々となぎ倒していく爽快感のある演出になっている。その際のBGMでかかる「Led Zeppelin」の「Immigrant Song(移民の歌)」は、今までも様々な映画で使われてきた名曲だが、これがやはり無条件で高揚する。彼らのサードアルバム「Led Zeppelin III」(1970年)に収録されていたクラシックロックだが、この時代を超える耐久年数には驚くばかりである。

 

結論、今作に限っていえば、それほどマーベル・シネマティック・ユニバースの過去作とか、「マイティ・ソー」シリーズ二作を観ていなくても、ある程度楽しめる作品になっていると思う。VFX全開のアクションシーンとコメディシーンだけを観ていれば、細かい設定やキャラクターなどは気にしなくても十分に楽しめる映画になっているのだ。この間口の広さは、シリーズもの三作目としては快挙だろう。観てる時は頭を空っぽにして楽しめて、劇場を出る時には正直あまり記憶に残っていないというタイプの映画だが、こういうエンターテイメント作品があっても良いと思う。