映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」を観た(完全ネタバレ&解説アリ)

ミッション:インポッシブル/フォールアウト」を観た。

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監督:クリストファー・マッカリー

出演:トム・クルーズヘンリー・カヴィルサイモン・ペッグレベッカ・ファーガソン

日本公開:2018年


シリーズ累計3,000億円以上の全世界興行収入を誇るトム・クルーズ主演の人気シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」がいよいよ公開となった。監督は「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」から続投のクリストファー・マッカリー。過去作には、同じくトム・クルーズ主演の「アウトロー」などがある。トム・クルーズは現在56歳らしいが、とにかく彼の主演でしかこの映画は撮影出来ないだろうと思うほど、トムの身体を張ったアクションが二時間以上に亘って拝める凄まじい作品だ。因みにストーリー的にも「ローグ・ネイション」からの続きものなので、確実に前作は観ておいた方がいいだろう。今回もネタバレありで。

 

あらすじ

IMFのエージェント「イーサン・ハント」と彼のチームは、盗まれた3つのプルトニウムの回収を目前にしていた。だが、突如現れた何者かの策略で仲間の命が危険にさらされ、その最中にプルトニウムを奪われてしまう。イーサンとIMFチームは、プルトニウムを再び奪い返し、複数の都市の同時核爆発を未然に防ぐという、新たなミッションを受ける。この事件の裏側には、シンジケートの生き残り勢力が結成した「アポストル(神の使徒)」という組織が関連しており、手がかりは「ジョン・ラーク」という正体不明の男と、彼が接触する「ホワイト・ウィドウ」と呼ばれる謎めいた女の存在のみ。しかも今回のミッションに対しイーサンの動きを不服とするCIAは、敏腕エージェント「ウォーカー」を監視役に同行させることを条件とする。イーサンはホワイト・ウィドウの信頼を得るため、やむなく収監中の天敵「ソロモン・レーン」の脱走に手を貸すが、その影響で味方の女スパイ「イルサ」と対立してしまう。やがて核爆発のタイムリミットが刻一刻と迫る絶体絶命の中で、チームの仲間や愛する妻の命まで危険にさらされ、いくつもの罠がイーサン・ハントに降りかかる。

 

感想&解説

2017年の夏、トム・クルーズが「ミッション:インポッシブル」の新作撮影中、ジャンプスタントに失敗して足を骨折したというニュースがネットを騒がせた。もちろん僕もそのニュースは見たが、この作品を観た後だと「それくらいで済んで、ある意味良かった」と思ってしまう。もちろん、その壁激突シーンは劇中でも観られ、かなり痛そうな上に明らかに危険な場面なのだが、それ以上に「本当にこれ、どうやって撮ったの?」と思うシーンの連続で、鑑賞しながら身体にチカラが入る事この上ない。


今やCGや合成を使えば、どんなシーンも安全に撮影が出来る時代だ。だが、改めてこうやって見較べてみるとその差は歴然で、「本当のアクション」はその場の臨場感や恐怖感がまるで違う。高い所で何かに捕まっている時、その時の風圧や振動、太陽の日差しや役者の表情などから、合成ではないリアリティがスクリーンからビンビンに伝わってくる。凱旋門やオペラ通りなど、パリ中心部の人気観光スポットを特別に封鎖して撮影されたバイクチェイスシーン。プロのスタントチームと入念な打ち合わせして撮ったそうだが、他の映画で何度も何度も観たチェイスシーンが、本作では何故こうも手に汗握るのか?それはトム・クルーズが「本当に」高速でバイクを走らせているのが伝わるからで、映画の中の「イーサン・ハント」がミッションを成功させるかどうか?のストーリー的なドキドキを超えた、「トム・クルーズがこんな危険なスタントやって大丈夫か?」のドキドキと興奮を常に感じるからだ。


後半のヘリを操縦するシーン。トム・クルーズは短時間で「2,000時間の訓練をこなす」と言い放ち、ヘリのライセンスを所得。一年半かけて準備をした後、一人でヘリに乗り込み、自分だけで演技しながら撮影したらしい。また、成層圏ギリギリの高度から身体一つで高速降下するヘイロージャンプのシーン。高度7,620メートルから飛び降りたメジャー映画の俳優はトム・クルーズが初めてらしいが、この訓練の為に一日10回以上のジャンプを4週間続けたとの事である。トムもすごいが、これに付き合うスタッフにも頭が下がる。特にプロデューサーは「毎回不安で、ものすごく神経がすり減った」と漏らしているが、それはそうだろう。今回、シリーズ初参加のヘンリー・カヴィルはあまりの撮影のキツさに、クランクアップまで生きて帰れるか不安だったそうだ。


とてつもない才能を持ったスタッフ達が、とんでもない時間とお金を投資し、トム・クルーズという稀代の「努力型アクションスター」と最高のアクション映画を作るのだという、気合いと熱意が迸ってくる。それが本作「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」の最大の魅力だと思う。そして、それは見事にスクリーンから伝わってくる。僕は後半、そのあまりのアクションシーンの凄さと、作り手の観客を喜ばせるのだというサービス精神に対して、不覚にも涙が溢れてきてしまった。チームスパイ映画としての面白さもしっかりありつつ、往年の「スパイ大作戦」が持っていた魅力を受け継いでいるのも素晴らしい。


たしかに脚本やストーリー、特にプルトニウムの扱い方には文句を言いたくなる部分はある。15分ヘリで離れたくらいで、核爆発から安全な所に逃げられる訳がないとか、若干どんでん返しの為のご都合主義が目立つとかである。だが、もはやこの「本気アクション」の前では、それらは些細な事の様に感じる。こんな作品をトム・クルーズクリストファー・マッカリー監督以外に誰が作れるというのか。とにかくシリーズ最高のアクション映画だという意味で、この映画代金1,800円は安い。この夏の超大作という意味だけでなく、本年度ベスト級というレベルで強烈にオススメしたい一作だ。