映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

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「アクアマン」を観た(完全ネタバレ&解説アリ)

「アクアマン」を観た。

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監督:ジェームズ・ワン

出演:ジェイソン・モモアアンバー・ハードウィレム・デフォーパトリック・ウィルソン 

日本公開:2019年


2013年の「マン・オブ・スティール」から始まった、「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズ6番目の作品である。前作の「ジャスティス・リーグ」が、MCUにおける「アベンジャーズ」のような作品で、スーパーマンバットマンワンダーウーマンといった単体作品で活躍中のキャラに混じって、フラッシュやアクアマンといった、日本ではまだまだ認知度の低いヒーローをチラ見せした訳だが、遂にそのアクアマン単体作品が公開となった。監督は「ソウ」シリーズや、名作「ワイルド・スピード SKYMISSON」のジェームズ・ワン。この人は、エンターテイメント作品とはなんたるかを本当に知り尽くしている監督だなぁと感心する。「アクアマン」という、超絶ダサいタイトルの今作はどうだったか?ネタバレで感想を書きたい。

 

あらすじ

海底に広がる巨大な帝国アトランティスを築いた海底人たちの王女を母に持ち、人間の血も引くアクアマンは、アーサー・カリーという名の人間として地上で育てられた。やがて、アトランティスが人類を征服しようと地上に攻め入り、アクアマンは、アトランティスとの戦いに身を投じていく。

 

感想&解説

この映画を小学生の時に観たら、その衝撃たるや凄まじいものだっただろう。それくらい本作のビジュアルインパクトはすごい。まるで、海の中を宇宙空間のように描き、凝ったデザインの海中船が登場し活躍する。また、宇宙戦争の様に海中戦を繰り広げるかと思えば、地上でも高低差を活かしたド派手なアクションシーンも展開される。更にキャラクターの個性も非常に立っており、ストーリーもシンプルの極み。まるでヒーロー映画のお手本のよう作品なのである。飽きるシーンなど皆無で、次々とVFX満載の見どころが現れる。一体、この映画一本でいくらの制作費が動いているのかと心配になるほどだ。


過去の「DCエクステンデッド・ユニバース」初期作品である「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」のように、無駄に陰気な作風では無いのもいい。本作はアクアマンのワイルドな外見のとおり、非常にカラッと明るい作風で主人公がウジウジと悩んだり、心理的なトラウマが描かれたりといった描写はほとんどない。とにかくジェットコースタームービーという言葉が、これほど似合う作品は珍しいだろう。上映時間は143分と若干長いが、体感的にはかなり短く感じると思う。


ただしストーリー的には、何一つ新しい要素やツイストは無い。今作のアクアマンは、ある意味でほぼ無敵のヒーローなので、絶体絶命でハラハラするとか、誰か重要なキャラクターの命を守る為に自らを犠牲にして、といった展開は皆無だし、主人公の精神的な成長を描く作品でもない。そもそも最初からとんでもない能力を持っているアクアマンが、紆余曲折ありながら「トライデント」なる伝説の鉾を手に入れる事で、無敵になるのを「待ってました!」と楽しむタイプの映画なので、物語の構造は乱暴に言えば「水戸黄門」と大差ない。


もちろん、アクアマンの父親である人間と海の女王(なんとニコール・キッドマン!)の愛の物語や、ヤンチャな兄弟の確執といったドラマ的な要素もあるが、薄味な事この上ない。同じような兄弟喧嘩のテーマでは、インド産アクション映画の名作「バーフバリ」という作品があったが、あの作品の方が構成もストーリー運びもよほどツイストがあって面白かったと思う。とにかくストーリーとしてはツッコミ所が満載過ぎなので、完全に子供向けコミック映画だと割り切って観るべきだろう。結局、宿敵だった弟とも和解する展開だし、主人公側としては誰の犠牲者も無く完璧なハッピーエンドで幕を閉じるのも、かなり牧歌的だ。


ただアクション娯楽映画としての完成度や、映像のクオリティも含めて確実に映画料金分の元は取れるし、掛け値無しに面白いエンターテイメント作品だと思う。ジェームズ・ワン監督が今まで培ってきた、ケレン味溢れる映画作りの集大成だと言えるだろう。「スーサイド・スクワッド」までは、シリーズの行く末を案じてしまう完成度だったが、まさに起死回生の女神的な作品だった「ワンダー・ウーマン」以降は、非常に高いクオリティを保ち続けている「DCエクステンデッド・ユニバース」。今後のシリーズ展開を見守る為にも、劇場で観ておいて損はない作品だと思う。次回作の4/9公開「シャザム!」も予告を観る限り、かなり面白そうで期待大だ。