映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。劇場公開されている新作映画を中心に綴っていこうと思います。

「ハロウィン」を観た(完全ネタバレ&解説アリ)

「ハロウィン」を観た。

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監督:デビッド・ゴードン・グリーン

出演:ジェイミー・リー・カーティスジュディ・グリア、アンディ・マティチャック

日本公開:2019年


スラッシャーホラーの名作、ジョン・カーペンター監督による1978年「ハロウィン」の続編が公開となった。ハロウィンシリーズはロブ・ゾンビ版のリメイクも含めて10作が作られているが、本作は殺人鬼マイケル・マイヤーズと、当時20歳前後だった女優ジェイミー・リー・カーティスが熱演したローリー・ストロードの40年後を描いた、一作目の正当な続編である。本作の監督は2017年「ボストンストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~」のデビッド・ゴードン・グリーン。これは意外な人選だと思う。1978年度版のジョン・カーペンターによるあのシンセサウンドをアレンジしたテーマ曲も鳴り響く、古典的なホラーとして楽しい作品だった。今回もネタバレありで。

 

あらすじ

ジャーナリストのデイナとアーロンは、40年前のハロウィンに起きた凄惨な殺人事件の真相を調べていた。犯人の「ブギーマン」ことマイケル・マイヤーズは事件後ひと言も話さず、動機や感情は一切不明。事件の唯一の生き残りであるローリー・ストロードに話を聞いても収穫はなかった。しかしローリーは再びマイケルが自分の前に現れることを予感し、その時のためにひとり備えていた。そしてハロウィン前夜、精神病棟から患者を輸送する車が横転し、マイケルが再び街に解き放たれ40年前の恐怖が再び蘇る。

 

感想&解説

今回の作品を観る上で、ジョン・カーペンター監督による1978年第一作目の「ハロウィン」は必ず観ておいた方が良いだろう。今作は完全なる続編の為、観ていないとそもそもストーリーは謎だらけだろうし、何より作中に散りばめられたオマージュの数々が理解できないのでもったいない。正直、かなり古典的なホラー映画という感じで、この作品ならではのフレッシュさはあまり無いが、マイケルの造形や行動を含めてある意味78年度版を強く思い出させる、安定の続編という感じである。前作のファンなら間違いなく気に入る作品ではないだろうか。


特に映画中盤、刑務所から移動する車から脱走したマイケルによって、前作と同じ舞台ハドンフィールドの町が恐怖に陥っていく流れは、そのなかなかのグロ描写も相まって飽きさせない。特に突然、首を包丁で一突きして立ち去るシーンの突発的な暴力性や、顔面踏み潰しの画的なインパクトなどスラッシャーホラーとしても頑張っているし、前半で逃亡したマイケルにより、少年が殺されるシーンは、近年のハリウッド映画ではまずあり得ない展開の為、正直驚いた。このシーンがあった為にこの後、泣き叫ぶ赤ちゃんの側を包丁を持ったマイケルが通り抜ける場面は、かなり緊張感が高まったものだ。(さすがに赤ちゃんは殺されなかったが)


また前述のように、本作はジョン・カーペンター監督の一作目へのオマージュに溢れており、オープニングのスタッフクレジットが前作と同じ文字フォントとか、孫娘が教室の窓からローリーを見つけるシーン、目の所に穴の開いたシーツのシルエット、子供のお守りをしている女の子とそのボーイフレンドがセックスすると死亡するフラグ、クローゼットから出てくる死体、宙吊りのままナイフが刺さって死んでいる男、二階から庭に転落したローリーの姿が、あの独特のSEが流れて次の場面で消えているシーンなどなど、数えればキリがないくらいに前作を意識したシーンの数々がファンを喜ばせる。


更に本作はジェイミー・リー・カーティス演じる、ローリーの活躍を観る映画だと言えるくらい、本作の彼女はキャラが立っていて良い。前作ではひたすらに逃げ惑うだけの女子大生だったのに、本作では人生を賭けてマイケルとの戦いをイメージしながら生きてきた、「戦士」としてのローリーが見れるのだ。彼女が疎遠になった娘と孫娘を守るために、マイケルを追い詰めるトラップを仕掛けた自宅を舞台に、密室攻防劇を繰り広げるのがクライマックスの見せ場となる。


また実娘が幼い時、ローリーにより鍛えられていたという設定により、最初は泣き叫ぶだけだった彼女が自分の娘を守るためにマイケルに銃をブッ放すシーンのカタルシスなど、思わず喝采を送りたくなるし、ラストのマイケルを地下室に閉じ込めての火を放つトラップも、これぞエンターテイメント映画だと素直に楽しい場面になっている。ジョン・カーペンターが作曲し、主演のジェイミー・リー・カーティスが歌うエンドクレジットの楽曲のタイトルも、マイケルとローリーを意識しているのであろう、なかなか気が利いている。第一作のように歴史に残る傑作とは言わないが、少なくとも78年度版ハロウィンのファンや、レトロホラー映画が好きな人は必見の佳作だと思う。