映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。劇場公開されている新作映画を中心に綴っていこうと思います。

「アナと雪の女王2」を観た(完全ネタバレ&解説アリ)

アナと雪の女王2」を観た。

f:id:teraniht:20191123060147j:image

監督:クリス・バックジェニファー・リー

出演:イディナ・メンゼルクリステン・ベルジョシュ・ギャッド

日本公開:2019年

 

「Let's It Go 〜ありのままで〜」が日本中で大流行し、日本興行歴代3位となる255億円を記録した大ヒットディズニーアニメ「アナと雪の女王」待望の続編が、遂に公開となった。なんと前作から5年ぶりとなる。本作でも引き続きクリストフ・ベックが音楽を担当しており、「into the unknown 〜心のままに」という楽曲がメイン曲となっている。キャッチコピーは「なぜ、エルサに力は与えられたのか」だが、どんな作品だったのか?今回もネタバレありで。

 

あらすじ

雪と氷に覆われたアレンデール王国に陽光を取り戻し、深い絆で結ばれた姉エルサと妹アナ。氷や雪を操る魔法の力を持つ“ありのままの自分”を受け入れたエルサと、明るいキャラクターが持ち前のアナは、仲間たちに囲まれて幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、エルサにしか聞こえない不思議な歌声により、姉妹は未知の世界へと導かれる。それは、エルサの魔法の力の秘密を解き明かす冒険の始まりだった。姉妹は仲間のオラフやクリストフとともに、数々の試練に立ち向かっていく。

 

感想&解説

本作は完全なる「アナ雪」の続編なので、もう一度前作を見直してから本作に臨んだ方が良いくらいに、前作の観賞はマストだ。ただ、前作が好きだった人は、恐らく本作も気にいると思う。アナやエルサ、オラフといったキャラクターは相変わらず魅力的だし、躍動感もあって好感が持てる。とにかくビジュアルのクオリティが圧倒的で、特に水や風といった自然表現の凄まじさは驚くばかりで、さすがのディズニークオリティだ。


作風としては、前作よりミュージカル要素を強めており、映画のほとんどがアクションと歌で構成されていると言って良いだろう。今作の「into the unknown」は、前作の「Let's It Go 」ほどのキャッチーさは無いが、壮大でパワフルな曲である事は間違いない。他の挿入歌に関しても、やはり曲の良さは他のディズニー作品と比べても際立っている。上映時間103分というタイトさもあり、本作はあっという間の鑑賞体験になるだろう。


その分、ストーリーに関しては、あまり期待しない方が良いかもしれない。かなり複雑で、特に子供には分かりにくいだろう。アナとエルサの死んだ両親をめぐる話とエルサの出生の秘密、精霊たちが怒っており、霧の中の「魔法の森」にノーサルドラ人と一部のアレンデール人が閉じ込めている話とが並行して語られるのだが、その因果関係が分かりづらく、正直今でも上手く説明出来ないくらいだ。ラストにアナがアレンデール人が作ったダムを壊せば解決すると考え、巨大な岩の巨人をおびき寄せて破壊させるが、何故アレンデールを水没させるリスクを犯してまでそれをやる必要があるのか?も、正直あまり理解ができない。


結論、エルサは第五の氷の精霊だった為に、魔法が使えるという事だが、人間同士の親から精霊が突然変異で生まれた事や、アナには力が無くエルサだけがその力を持っている事などには、特に言及はない。このあたりは、あまり深く考えないで観れば良いのかもしれない。あとは男性キャラの扱い方が相変わらず酷い事もこのシリーズの特徴だが、今作のアナのクリストフへの仕打ちには泣けてくる。途中で置き去りにされた上に、アナが冒険中に気にするのはエルサとオラフの事だけで、自ら置き去りにしてきたクリストフの事を考えている描写は一度も無い。それなのにクリストフの献身さには、僕は同じ男性として同情を禁じ得なかった。


本シリーズは過去のディズニープリンセスとは違い、王子様のキスを求める女性像ではなく、姉妹愛といったもっと広義の愛をテーマにしていた為に、新鮮さがあり広い観客層から支持された作品なのだと思う。前作のイケメン王子のハンスが実は悪役だった事も、こういったコンセプトの現れだと思うが、本作も見事にそれを踏襲していると言えるだろう。もちろん、最後はアナとクリストフは結ばれるのだが、本質的なアナにおける「白馬の王子様」は、男性キャラのクリストフではなくエルサなのである。これはラストシーンを観れば、比喩などでは無い事が明白だ。男に依存しない強い女性像は今の時流だが、本作「アナ雪2」でも、それを高らかに宣言していた様に思う。


現代におけるディズニー作品として、十分な魅力を持った作品だ。オラフのコメディシーンも劇場に笑いが漏れていたし、サラマンダーという新キャラもかわいい。何よりアナとエルサという、この姉妹キャラをちゃんと応援したくなるという意味で、この映画は成功していると言える。全体ストーリーの推進力というよりは、各シーンの歌とアクション、キャラクターの魅力を愛でる作品なのだろう。前作ほどの国民的大ヒットは難しいかもしれないが、特に女性には長く愛される映画になると思う。今回は吹き替え版を観たが、字幕版をもう一度鑑賞したい。