映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.8:「殺しが静かにやって来る」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は8本目。タイトルは、セルジオ・コルブッチ監督作品「殺しが静かにやって来る」。最寄りのブックオフにて1,800円という安価で購入。どうやらセルジオ・コルブッチ没後30年企画として、「2K特別版Blu-ray」が2020年9月に新発売されるらしい。「撮影の舞台裏」などの新規映像特典も追加されているようなので、このタイミングで今回の「HDリマスター版」が中古に流れたのだろう。ただ画質自体は同じマスターを使っているようなので、そこまで向上しないようだ。今回購入したブルーレイも、マニアの間でも長らく幻と言われていた「ハッピーエンド版ラストシーン」や、故セルジオ・コルブッチ監督の夫人インタビューなどの映像が収録されていて面白い。特に「ハッピーエンディング」はこれがもし本採用されていたら、この作品の価値が全く違うものになっていただろうと思わされ、興味深かった。

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作品としては、イタリアの巨匠セルジオ・コルブッチ監督が作ったマカロニウエスタンの傑作で、1969年日本公開の映画だ。雪が降り積もる舞台の中、エンニオ・モリコーネのスコアが鳴り響き、喉を切られて口のきけない主人公や黒人のヒロインという独特な設定のキャラクターに加えて、クラウス・キンスキーが極悪非道な悪役として圧倒的な存在感を発揮している。そして、あの非情過ぎるラストシーンは、今観てもあまりに強烈だ。66年に制作された「続・荒野の用心棒」の主人公が「ジャンゴ」という名前から解るように、セルジオ・コルブッチクエンティン・タランティーノに絶大なる影響を与えた監督で、特に本作は「ヘイトフル・エイト」への影響が色濃いだろう。今観てもまったく古さを感じさせない、メチャクチャ面白い一作である。

 

監督:セルジオ・コルブッチ

出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、クラウス・キンスキー、ヴォネッタ・マギー

日本公開:1969年