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映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」ネタバレ感想&解説

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」を観た。

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大ヒットシリーズ「パイレーツ・オブ・カリビアン」の第五弾である。主演は言わずと知れたジョニー・デップで、本シリーズの主役ジャック・スパロウは彼の最大の当たり役となった。思い返せば、第一作が2003年公開だったので、もう14年前である。一作目を映画館で観た時の感動がありありと思い出されるが、思えば最初の「呪われた海賊たち」は本当に面白い冒険活劇だった。

 

監督:ヨアヒム・ローニング/エスペン・サンドベリ

出演:ジョニー・デップハビエル・バルデムジェフリー・ラッシュ

日本公開:2017年

 

感想&解説

CG満載の娯楽エンタメムービーとして、シリーズのファンは楽しめるだろう。個人的には四作目「命の泉」がかなり厳しい出来だったので、あれよりは各シーンの見どころも多い。ジャック・スパロウのいつにも増して軽いキャラ造形によって、スラップスティック・コメディとして、お馴染みのドタバタを笑いながら楽しめる。だが正直、映画全体としてはやはり残念な出来だったと言わざるを得ない。

 

特に二作目からの問題点だと感じているが、主要キャラクターが増えていく事により、ストーリー運びが散漫になり、今は何の件でキャラクター達は苦労しているのか?がよく分からなくなる。且つ、その目的の場所に着くと具体的にどうなり、どうすると良いのか?もしくは悪いのか?が観客に全く具体的に提示されない。しかも劇中のキャラクターも達もそれが解っておらず、行き当たりばったりで行動して、たまたま事態が解決していくので、こちらも途中から観ていてどうでも良くなる。

 

例えば、ジャックがコンパスを手離すとサラザールという悪玉が解放されるのは何故?とか、魔女がそのコンパス持ってたのは何故?とか、広大な海を漂ってて手帳の星の位置から島を発見するのは無理だろとか、島の宝石にカケラをはめるってなんでわかったの?とかポセイドンの槍を壊したのは思い付き?とか、もう事前に何の情報もない事をキャラクター達が平然と行っていきストーリーが進むので、こちらも考えながら観る事を放棄したくなるのだ。もちろん、こういう映画に「優れた脚本」や「上手い伏線」は必要ないと思うし、それを求めるのは野暮だとは解っているが、それにしても後出しジャンケンの設定が多過ぎる。バルボッサの娘のくだりなど、あまりに突然の展開過ぎて、その後の自己犠牲のシーンに全く心が動かない。

 

 これではひたすら派手なCG満載の画面を、ぼんやり2時間眺めて過ごすだけの夏休み映画だ、と厳しい事も言いたくなってしまう。やはり、このシリーズの世界観やキャラクターが好きな方向けのファンムービーだと言えるだろう。どうやらまだ続編は続くようだが、僕はそろそろ本シリーズに関しては離脱組かもしれない。ちなみにエンドクレジットの後にも、映像が続くのですぐに席を立たないようにご注意を。

採点:2.5(10点満点)

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