映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.30:「バーニング 劇場版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は30本目。タイトルは、イ・チャンドン監督作品「バーニング 劇場版」。特典映像は「メイキング&インタビュー」「キャラクター・メイキング」「オリジナル予告編2種/日本版予告編」で、メイキング映像は約5分ほどの撮影風景やキャストインタビューなどが収められている。短い収録時間ながら、イ・チャンドン監督が役者に演出している姿も撮影されていたり、スタッフが美しく夕陽の沈む様子を何日も待つ姿などが収められておりと貴重な映像となっている。特に空に大量の野鳥が飛んでいるのを背景に、主演のユ・アインが並走するシーンは鑑賞時はCGかと思ったが、本当に撮影していると知って驚いた。劇場公開時には見逃していた作品だったので、今回ブルーレイで初鑑賞。

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作品としては、村上春樹の短編原作「納屋を焼く」を巨匠イ・チャンドン監督が映画化した話題作で、第71回カンヌ国際映画祭などでも高く評価されている。監督作としては「ポエトリー アグネスの詩」以来8年ぶりの新作だが、はっきりと「韓国ノワール」の色が濃い作品となっており、シーンごとの伏線やさまざまな解釈の余地があるエンディングが示すように、何度観ても楽しめる映画となっている。中心人物3名の三角関係をベースに物語は進むが、「ビニールハウスを定期的に焼く」という、スティーブン・ユァンが演じる富豪のベンというキャラクターが特に魅力的だ。148分という長尺な割には「何も起こらない」映画なのだが、この「画面上では何も起こらない」というのが作品のコンセプトとも一致しており、独特の居心地悪さを生んでいる。結論、ものすごく面白い作品だった。イ・チャンドン作品は、初期作の「ペパーミント・キャンディー」や「オアシス」も、4Kレストア・デジタルリマスターとしてブルーレイ化されているので、そのうち購入したい。

 

 


監督:イ・チャンドン

出演:ユ・アイン、スティーブン・ユァン、チョン・ジョンソ

日本公開:2019年