映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は42本目。タイトルは、レオス・カラックス監督作品「汚れた血<HDニューマスター版>」。ヤフオクにて中古で購入したが、市場ではかなり価格が高騰しているようだ。映像特典としてメイキング映像、削除シーン、予告編集の計約30分ほどが収録されている。メイキングはほとんど無音ながらNGカットやアウトテイクス、カメラテスト映像という感じで貴重な映像が楽しめる。本作「汚れた血」は24歳の時「ボーイ・ミーツ・ガール」で長編映画監督デビューを果たした、フランス出身監督のレオス・カラックスによる、“アレックス三部作”の二作目で、ベルリン国際映画祭アルフレッド・バウアー賞を受賞している。レオス・カラックスは独特な映像表現の新しさで、ジャン=リュック・ゴダールの再来と目され喝采を浴びた監督だが、1992年日本公開の「ポンヌフの恋人」までが特に評価が高い気がする。2020年現在では、2013年公開の「ホーリー・モーターズ」以来、作品を発表していない。
作品としては、舞台はハレー彗星が接近している為、異常な暑さが襲っている近未来のパリ。愛の無いセックスで感染する恐ろしい病気が蔓延し若者の命を奪っていたが、その特効薬を盗む計画を立てる男たちがいた。という設定だけ書くとまるでSFアクション映画のようだが、本作はまったくその真逆で、男女の哲学的なセリフ回しとやり取りが延々と続く”恋愛映画”だ。今回ブルーレイにて久しぶりに鑑賞したが、中盤のデヴィッド・ボウイ「モダン・ラヴ」をバックに主人公のドニ・ラヴァンが疾走するシーンなどは良いが、ストーリーがあまりに鈍重だ。カット割りや雰囲気で魅せる作品なのだが、それでも映画的なカタルシスが薄くて途中から退屈してしまう。ジュリエット・ビノシュの美しさだけが際立っていた。
監督:レオス・カラックス
出演:ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ、ジュリー・デルピー
日本公開:1988年