映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.46:「仁義」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は46本目。タイトルは、ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品「仁義」。amazonにてセール中だったので新品で購入した。特典映像としては予告編のみ。TV放映時の吹替付きで初Blu-ray化された商品だ。特典として16pのブックレットが封入されているが、映画評論家の遠山純生氏による解説が掲載されており、これがストーリー展開から各場面の演出に亘り詳細な解説書になっていて、非常に良いテキストであった。

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作品としてはジャン=ピエール・メルヴィル監督、アラン・ドロンイヴ・モンタンという豪華競演で本国フランスでは400万人を動員し、メルヴィル監督作として最大のヒットとなったという作品だ。1970年の公開当時、日本では20分短縮されたバージョンで公開されたが評判は悪かったようで興行も批評も厳しかったようだが、今回のブルーレイは新規HDマスターの完全版が収録されている。その為、映像としては大変美しく、1968年公開の「サムライ」でも観られた全体的に青味がかった抑えた色彩と、無駄のないシャープな画面構図が楽しめる。ただ、”犯罪アクションの大作”と謳ってはいるが、いわゆる娯楽映画とは程遠く、淡々とストーリーは進んでいく。セリフを極端に排しており、何気ないひとつの場面を長々と描写していくうえに140分と長尺なので、やや冗長に感じられるシーンが多い。女性の登場人物がほぼいないのも特徴で、いわゆる男たちの友情と裏切りを描いたフィルムノワールだが、ストーリーというよりはクールな”映像美”を堪能する映画として、ブルーレイで観るのには適した作品だと思う。


監督:ジャン=ピエール・メルヴィル

出演:アラン・ドロンイヴ・モンタン、ジャン=マリア・ボロンテ

日本公開:1970年