映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は50本目。タイトルは、リチャード・リンクレイター監督作品「ビフォア・サンライズ/サンセット/ミッドナイト ブルーレイ トリロジーBOX」。amazonにて中古で購入。映像特典としては「ビフォア・サンセット」の約9分のメイキングと、「ビフォア・ミッドナイト」のリンクレイター監督とイーサン・ホーク&ジュリー・デルピーのインタビューが合わせて計10分ほど収録されている。「~サンセット」のメイキングでは、実際にどのような様子でカメラを回して撮影していたかが解るし、後半の車内での8分間に及ぶ会話シーンがノーカットで撮影されたなどのエピソードが語られる。また「~ミッドナイト」のインタビューでは、1作目の頃は3部作の予定はなかったという話や、9年ごとのシリーズだがおおよそ6年目くらいになると誰かが続編の話を始めるといった話題が興味深い。脚本も監督と主演二人の共同作業という事で、かなりメイン3人の絆は深いようだ。
作品としては、1995年に一作目の「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」が公開されてから、9年ごとに新作が撮影されているシリーズで、現在2013年「ビフォア・ミッドナイト」の3作目まで制作されている。三作ともに基本的にはイーサン・ホーク演じるジェシーと、ジュリー・デルピー演じるセリーヌの会話のみで成り立っており、彼らがお互いの恋愛観や人生観、思想や仕事への姿勢まで、二人が延々と語り合うのを鑑賞するシリーズだ。ただ、会話劇なのにこれが非常に面白い。
一作目である23歳の時と、3作目の41歳の時ではもちろん二人の環境は大きく違うので、シリーズが進むごとに二人の意見がぶつかっていくところなどは現実的だし、特に結婚し二人の子供を設けた「~ミッドナイト」における夫婦ケンカシーンは、リアルで背筋が凍る。ただ今回、三作品を続けて観たことで、ラストでセリーヌの機嫌を直すためにジェシーが持ち出す「タイムマシーン」のエピソードが、実は一作目からのモチーフであることなどが発見できた。よく出来た脚本である。もし4作目があるなら2022年の公開のはずだが、個人的には二人のもう少し先である晩年を描いた最終作が観たいと思う。
日本公開:1995~2013年