映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.52:「哀しき獣」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は52本目。タイトルは、ナ・ホンジン監督作品「哀しき獣」。Amazonにて中古で購入。映像特典としては、ナ・ホンジン監督インタビュー、東京国際映画祭ティーチイン、オリジナル/日本版予告編、登場人物相関図、メイキングなどが計50分ほど収録されている。特に監督インタビューでは園子温監督の「冷たい熱帯魚」に影響を受けたというエピソードや、22分ほど収録されているメイキングでは、主要キャストへのインタビューや撮影風景が収められている。主役のハ・ジョンウは撮影の多くが一人芝居でさらに寒冷地での撮影が多かった為、気持ちを保つのが大変だったなどのエピソードが面白い。また撮影現場で監督が演出をつけている場面も多く観られるし、撮影監督がもっとも良い画が撮れたのが中国のシーンだったなどと語っている。また本作はキャラクターの人間関係が複雑だった為、登場人物の”相関図”は作品を理解する上でとても役に立った。

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作品としては韓国国内で500万人超を動員し、日本でも話題作となった「チェイサー」のナ・ホンジン二作目の監督作品であり、傑作クライムサスペンスだ。「チェイサー」でタッグを組んでいた、ハ・ジョンウとキム・ユンソクが再び出演しているが、二人とも前作とは全く性格の違うキャラクターを演じている。2012年日本公開の作品だが、個人的に今でも韓国アクションサスペンスでオススメを聞かれたら、本作のタイトルを挙げるほど好きな作品だ。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督がtwitterで紹介した、”最上級おすすめアクション映画”のリストにもピックアップされている。

 

全体が「タクシー運転手」「殺人者」「朝鮮族」「黄海」という4部構成になっており、140分というやや長尺な上映時間ながら冒頭からノワール的な世界観に引き込まれ、最後まで飽きることが無い。特にキム・ユンソクが演じた”ミョン社長”は韓国映画史に残る強烈なキャラクターだろう。ナ・ホンジン監督は2017年公開の「哭声 コクソン」も素晴らしかった為、世界中で次回作が熱望されている監督の一人だと思う。前作「チェイサー」のブルーレイが廃盤で値段がかなり高騰している上、今やほとんど市場に出回っていないので、ぜひ再発売して欲しい。

 

監督:ナ・ホンジン
出演:ハ・ジョンウ、キム・ユンソク、チョ・ソンハ
日本公開:2012年