映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.114:「デ・パルマ」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は114本目。タイトルは、ノア・バームバック&ジェイク・パルトロウ監督による作品「デ・パルマ」。bookoffにて中古で購入。映像特典としては「オリジナル劇場予告/日本版予告編」のみ。作品としては、70年代に「ファントム・オブ・パラダイス」「キャリー」、80年代には「アンタッチャブル」「スカーフェイス」などの名作を手がけてきた巨匠ブライアン・デ・パルマをテーマにしたドキュメンタリー映画で、監督は「マリッジ・ストーリー」のノア・バームバックと「マッド・ガンズ」のジェイク・パルトロウが共同で務めている。制作はあの「スタジオA24」だ。構成としては、ブライアン・デ・パルマがインタビュー形式で自らの過去作について語っていくという内容で、特にヒッチコック作品からの影響について言及が多い。映画冒頭から1958年の「めまい」には衝撃を受けたと話し、「あの映画が人々の心をとらえるのは、映画監督のあるべき姿がそこに見て取れるからだ」とまで語っている。

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デ・パルマは裕福な医師の家庭に生まれ、大学時代から映画製作に興味を持ったようだ。1962年「ウォートンズ・ウェイク」というデビュー作品から、大学で同期だったという「ファントム・オブ・パラダイス」主演のウィリアム・フィンレイが出演しているのには驚いた。他にもロバート・デ・ニーロのデビュー作はデパルマの「御婚礼」という作品だったということや、若き日のスティーブン・スピルバーグマーティン・スコセッシとの親交についても語っており、面白い。「悪魔のシスター」でのスプリットスクリーンの解説や、バーナード・ハーマン作曲「サイコ」の楽曲を仮映像で使っていたら、ハーマン自身に「音楽があると曲が浮かばない!」と怒鳴られたなどのエピソードが聞ける。他には「サイコ」を意識した「殺しのドレス」では、女性に対する過激な暴力描写が問題となり批評されたとか、「スカーフェイス」でもレイティングシステムと対立し、3回の審査ですべてR18指定となった為、結局は残虐シーンをカットしなかったなど、デ・パルマが笑いながら語っているシーンは印象的だ。全編に亘り、ブライアン・デ・パルマという映画監督のこだわりが理解できるドキュメンタリーで、映画ファンとしては面白すぎてあっと言う間の110分だった。


監督:ノア・バームバック、ジェイク・パルトロウ

出演:ブライアン・デ・パルマ

日本公開:2017年