映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.119:「複製された男」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は119本目。タイトルは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による作品「複製された男」。ヤフオクにて中古で購入。映像特典としては、「キャスト&スタッフインタビュー」「撮影風景」「日本版予告編」で、計60分弱が収録されている。特に「キャスト&スタッフインタビュー」では、監督やジェイク・ギレンホールメラニー・ロランから、ネタバレしながらも本作の核心に触れるテーマが語られており、この作品に対しての理解がかなり進むインタビュー集になっている。ある意味で本作の謎が解けてしまうので、本編鑑賞後に観るべき特典映像だろう。また「撮影風景」でも、監督からキャストに対して綿密な演出が行われている様子が収録されており、かなりクリエイティブな現場だったことが垣間見える。

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作品としては、「灼熱の魂」や「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、「プリズナーズ」でもコンビを組んだジェイク・ギレンホールを主演に迎えて制作した、心理ミステリーだ。ノーベル賞作家、ジョゼ・サラマーゴの同名小説を映画化している。共演は「イングロリアス・バスターズ」のメラニー・ロランや「危険なメソッド」のサラ・ガドンなど。ストーリーとしては、大学教授のアダムがある日観た映画の中に自分と瓜二つの俳優アンソニーを発見し、恐怖を感じながらも取り憑かれたようにアンソニー接触をはかっていく。そして、アダムとアンソニーのそれぞれの恋人と妊娠中の妻を巻き込みながら、不条理なラストに向けて進んでいくという、いわゆる”難解映画”だ。だが女性が蜘蛛に見えるシーンやブルーベリー、破られた写真、身体の傷跡など、謎を解くヒントは随所に隠されており、鑑賞後に見た人同士で意見を語りあうのが楽しいタイプの作品だと思う。ただ本ブルーレイでは、監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ本人の特典映像インタビューで、この作品のテーマをはっきりと明言しているため、かなり解りやすくなっている。おかげで初見ではラストカットの意味不明さに唖然としてしまったが、何度も見直すうちにこの作品で伝えたい事が理解できるようになった。ドゥニ・ヴィルヌーヴ作品らしく、作家性の強い一本だと言えるだろう。

 

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ジェイク・ギレンホールメラニー・ロランサラ・ガドン
日本公開:2014年