映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.149:「甘い生活 プレミアムHDマスター版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は149本目。タイトルは、フェデリコ・フェリーニ監督による作品「甘い生活 プレミアムHDマスター版」。フェリーニ監督の代表作の一つにして、主演のマルチェロ・マストロヤンニをスターにした映画史に残る名作だ。マルチェロ・マストロヤンニは、この後「8 1/2」でもフェリーニと組んでいる。第34回アカデミー賞では、監督賞/脚本賞美術賞にノミネートされ「衣装デザイン賞」を受賞。さらにカンヌ国際映画祭では「パルムドール」に輝いている。今回のブルーレイは「2010年ローマ国際映画祭」で初公開された復元版を使用したという、「HDテレシネ」バージョンで、ノイズがなく美麗な画面が楽しめる。また「封入特典」の解説リーフレットには菊地成孔氏、中条省平氏の書下ろし解説文が付いている。

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作品としては、作家を夢見てローマにやって来たマルチェロ・マストロヤンニが演じる、青年マルチェロが主人公で、新聞記者として働きながらも享楽的な日々を送る彼の生活を描いていく。ナイトクラブで出会った大富豪の娘やハリウッド女優との刹那的な恋愛、さらに上流階級連中との乱痴気騒ぎなどを繰り返すマルチェロ。だがある日、社会的にも成功し安定した生活を送る友人と会い、再び小説家としての向上を目指すが、その友人は自分の子どもを道連れに自殺してしまう。どうしようもない絶望感に苛まれたマルチェロは、再び狂乱の渦へと身を投じていくというストーリーで、上映時間が3時間もある大作だ。冒頭のキリスト像がヘリで吊り下げられながら移動するシーンからラストの海岸で少女を再会するシーンまで、ほぼ説明のない短いエピソードの羅列だけで構成されており、正直一見するだけでは退屈な映画に思えてしまう。ただ、各シーンの意味やマルチェロの行動を読み解きながら鑑賞することで、キリスト教に根差した意図が解るという作品になっており、映画的な映像美にあふれてたブルーレイで繰り返し鑑賞したい作品になっている。

 

 


監督:フェデリコ・フェリーニ

出演:マルチェロ・マストロヤンニアニタ・エクバーグ、アヌーク・エーメ

日本公開:1960年