映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.173:「荒野の千鳥足《痛飲エディション》」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は173本目。タイトルは、テッド・コッチェフ監督による作品「荒野の千鳥足」。ヤフオクにて中古で購入。特典映像は「チップス・ラファティ追悼映像」「監督インタビュー」「千鳥足とオーストラリア映画界」「予告編集」「デジタルレストア比較映像」で、計42分が収録されている。「監督インタビュー」ではテッド・コッチェフ監督が、「この映画はオーストラリア映画ルネッサンスと言われており、昔の自分が抱いていた疎外感をテーマにしている」「人間の普段気付いていない暗い側面、そして暴力的な一面を描いた」と語り、本作のもっとも印象的なシーンである”カンガルー狩り”のシーンについては、「狩りのプロが毎晩殺していると聞いて、その様子を撮影させてもらった。その様子は悪夢のようだった。」と撮影の様子を話している。

f:id:teraniht:20211117095011j:imagef:id:teraniht:20211117095030j:image

作品としては、のちに「ランボー」を手掛けことになるテッド・コッチェフ監督が、1971年に世界公開したオーストラリア作品。日本では2014年にレストア版が劇場初公開となっている。第24回カンヌ国際映画祭の出品作品。「史上最高の、史上最も恐ろしい映画。」「パワフル、本当にショッキング。でも凄い。」などと海外メディアが報じ、あのマーティン・スコセッシが「凄まじいほどに不快な映画だ。1971年のカンヌ映画祭で観たとき、私は言葉を失った。視覚、物語、空気感、そして精神的にも素晴らしく構築されており、観る度に皮膚の裏側に衝撃が走る。」と語った作品でもある。単身赴任中の教師ジョンが長期休暇で恋人の待つシドニーへ帰る途中、ヤバという田舎町に一泊することになるが、そこの住民たちからひたすらビールを飲まされた挙句に、ギャンブルで無一文となり徐々に人間性を失っていくというというストーリーだ。ジャケットの印象とは裏腹にホラー映画ではないのだが、中盤に描かれる実際のカンガルー大量銃殺シーンは、非常にショッキングだ。オーストラリア産アメリカンニューシネマとも言える、独特の後味が残る映画である。

 

監督:テッド・コッチェフ
出演:ドナルド・プレザンスゲーリー・ボンド、チップス・ラファティ
日本公開:2014年