映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.176:「戦慄の絆」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は176本目。タイトルは、デヴィッド・クローネンバーグ監督による作品「戦慄の絆」。ヤフオクにて中古で購入。特典映像は無し。本作では「ニューヨーク映画批評家協会賞」「シカゴ映画批評家協会賞」でそれぞれ、ジェレミー・アイアンズが「主演男優賞」を受賞している。監督は「ヴィデオドローム」「ザ・フライ」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」などを発表している、鬼才デヴィッド・クローネンバーグ。1989年に日本では公開されている。ジェレミー・アイアンズ一人二役で演じる、一卵性双生児の兄エリオットと弟ビヴァリーは揃って産婦人科医となり、一緒に病院を開業し成功する。二人の人生は何から何まで共有することで順風満帆だったが、ある日二人が患者として映画女優のクレアと出会い、内気な性格である弟ビヴァリーが彼女に恋にした事で、兄弟の均衡が壊れ始めるというストーリーだ。

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「サイコスリラー」というよりは特殊な性的嗜好と芸術性、さらにメタリックな「手術道具」に代表される残虐性が混在したような作品で、やはりクローネンバーグ監督らしい映画になっている。ハワード・ショアが奏でる美しい音楽も特徴だろう。前半の一卵性双生児という設定から生まれるサスペンスから、後半は薬物に溺れていく兄弟の怪奇映画という感じにシフトしていくのはやや残念だが、ラストの着地も含めてこれぞデヴィッド・クローネンバーグ映画という展開だろう。いわゆるシンプルに面白い映画ではないかもしれないが、監督の世界観が堪能できる唯一無二な作品という意味では、観る価値のある映画だと思う。最近「クラッシュ 4K無修正版」が発売されたが、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」や「イースタン・プロミス」などの重要な作品が、日本版ブルーレイ未発売なので、今後に期待したい。

 

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェレミー・アイアンズジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ハイジ・フォン・パレスケ
日本公開:1989年