映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.183:「殺人者たち」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は183本目。タイトルは、ドン・シーゲル監督による作品「殺人者たち」。特典映像としては、特に無し。作品としては「ダーティハリー」「ラスト・シューティスト」「アルカトラズからの脱出」など、特に70年代を中心に活躍したドン・シーゲル監督の作品で、「殺しの分け前/ポイント・ブランク」のリー・マーヴィンが主演している。原作はアーネスト・ヘミングウェイの短編小説「殺人者」で、かなり短いストーリーを元に映画として脚色した作品だ。もともとテレビ映画として製作されていたがNBCが暴力的すぎると判断し、最終的にはユニバーサル・ピクチャーズによって劇場公開されることになったという経緯があるようで、たしかにリー・マーヴィンが演じたチャーリーとクルー・ギャラガー演じるリーの”殺し屋コンビ”は、目的のためなら女性にも躊躇なく暴力を振い、簡単に殺すという冷酷なキャラクターで、「スーツに細身の黒ネクタイ」というルックスも含めて、後の映画史にも大きな影響を与えている。レザボア・ドッグス」などは良い例だろう。公開当時リー・マーヴィンも「一番好きな映画」だと発言したらしい。

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この後、第40代アメリカ大統領になるロナルド・レーガンの俳優時代の姿が観られるし、映画監督して有名なジョン・カサヴェテスも役者として登場しており、このあたりの要素も映画ファンには楽しめる。そしてなにより、本作の魅力はシナリオの面白さだろう。ギャングの金を持ち逃げした元レーサーの殺害を依頼されたチャーリー&リーの殺し屋コンビだったが、逃げるそぶりなく殺された元レーサーの過去に疑問を持ち始める。そして、さまざまな関係者から証言を聞くことにより、失われた大金の行方を追っていくという物語だ。過去のフラッシュバックが多く挟み込まれ、二人は事件の真相に迫っていくのだが、二転三転する展開ながらも上映時間93分というタイトさは素晴らしい。主演二人もさることながら、ブライアン・デ・パルマ監督の「殺しのドレス」でも有名な女優アンジー・ディッキンソンの怪演も印象的だ。本ブルーレイは、もともとTV映画という事で画角4:3のリマスター版と、上下カットした16:9バージョンのSD版の両方が収録されている。時代を越えて、また観返したくなる快作だ。

 

 

監督:ドン・シーゲル
出演:リー・マーヴィンロナルド・レーガン、アンジー・ディッキンソン、ジョン・カサヴェテス
日本公開:1964年