映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.184:「リアリティのダンス 無修正版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は184本目。タイトルは、アレハンドロ・ホドロフスキー監督による作品「リアリティのダンス 無修正版」。ヤフオクにて中古で購入。特典映像としては、「第66回カンヌ国際映画祭監督週間(ワールドプレミア上映)での舞台挨拶」「日本版予告編/本国版予告編」と計12分が収録されている。「カンヌ国際映画祭舞台挨拶」では、プレゼンターである「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン監督が、「私は彼の魂の息子と言えるくらい影響を受けています。」と語り、監督のアレハンドロ・ホドロフスキーは「映画は国籍を持つべきでも国を代表するべきでもない。人間の魂を表現すべきです。」と言い、劇中でオペラ調でセリフを語る母親役について「私の母はオペラ歌手になりたかったが、なれなかったので映画の中で実現させました。この映画が単なる娯楽ではなく、『経験』になれば幸いです。」と、本作が改めて”ホドロフスキー家族”の映画であることを伝えている。

f:id:teraniht:20211214075100j:imagef:id:teraniht:20211214075103j:image
作品としては「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」でカルト的な人気を博した、チリ出身の映画作家アレハンドロ・ホドロフスキー監督の23年ぶりの新作で、脚本も担当している。1920年代を舞台に、幼少期のアレハンドロ・ホドロフスキーと家族をキャラクターとして登場させた自伝的な作品で、実の息子であり俳優のブロンティス・ホドロフスキーは、劇中でアレハンドロの父親役を演じている。海外のメディアは、監督のパーソナルな作品ということで、フェデリコ・フェリーニ監督の「フェリーニのアマルコルド」の系譜に連なる作品だと指摘したらしいが、これはアレハンドロ・ホドロフスキーでしか描けない映画だと思う。制作当時は84歳という年齢のホドロフスキー監督だが、本作の語り口は驚くほどに独創的で斬新だ。そして2016年には、本作の続編とも言える「エンドレス・ポエトリー」を発表している。いわゆる定型的なエンターテイメント映画では無いために、かなり好みは分れるだろうが、”映画でしか成立しない作品”という意味では、体験する価値のある作品だと思う。


監督:アレハンドロ・ホドロフスキー

出演:ブロンティス・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、イェレミアス・ハースコヴィッツ

日本公開:2014年


リアリティのダンス(字幕版)