映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.187:「エデンより彼方に」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は187本目。タイトルは、トッド・へインズ監督による作品「エデンより彼方に」。ヤフオクにて中古で購入。特典映像としては、特になし。「キャロル」「ベルベット・ゴールドマイン」のトッド・へインズ監督が、2002年に発表したヒューマン・ドラマ。2002年度アカデミー賞では「主演女優賞」、「脚本賞」、「撮影賞」、「作曲賞」の4部門にノミネートされ、ゴールデングローブ賞でも4部門のノミネートを果たしている。主演はジュリアン・ムーアは、ヴェネチア国際映画祭でも「最優秀女優賞」を受賞するなど、世界中で高く評価されたトッド・へインズ監督の出世作である。共演はデニス・クエイド、デニス・ヘイスバード、パトリシア・クラークソンなど。ブルーレイの特典として、映画研究家の斉藤綾子氏が執筆したコラムが読める「解説リーフレット」が封入されている。

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作品としては、1950年代メロドラマの巨匠ダグラス・サーク作品に影響を受けたと言われる、独特の色彩感に溢れたヒューマンドラマだ。50年代のアメリカ東部を舞台に、裕福な結婚生活を送っていた主婦が夫の同性愛を知り、悩むのと同時に知的な黒人の庭師に心惹かれていくが、保守的な当時の世間が彼女たちの間を引き裂いていくというストーリーだ。今から約20年前の作品ながら、まったく古さを感じない映画のメッセージや50年代を完全に再現したという映像美を堪能できる。特に主演ジュリアン・ムーアの演技は素晴らしいし、デニス・クエイド演じる夫の理解されない者の苦悩と、それゆえの空虚で危いマッチョイズムなど、この後の「キャロル」に続いていくようなトッド・へインズ監督の一環したテーマ性を確認する上でも、観ておきたい作品だと思う。


監督:トッド・へインズ

出演:ジュリアン・ムーアデニス・クエイドデニス・ヘイスバート

日本公開:2003年