映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.190:「Mommy/マミー」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は190本目。タイトルは、グザヴィエ・ドラン監督による作品「Mommy/マミー」。ヤフオクにて中古で購入。特典映像としては、「削除シーン」「ミニドキュメンタリー『グザヴィエ・ドランのスタイル』」「カンヌ国際映画祭授賞式ドランスピーチ」「インタビュー:グザヴィエ・ドラン」「インタビュー:アントワン=オリヴィエ・ピロン/スザンヌ・クレマン」「オリジナル予告編」「日本版予告編」で、計90分ほどが収録されている。「ミニドキュメンタリー『グザヴィエ・ドランのスタイル』」では過去の監督作品を振り返りながら、グザヴィエ・ドランの描く主人公たちはすべて、危機に直面し身近な周囲と対立する中で変化していくという共通点や、独特だと言われる映像技法も登場人物の思考や不安を描くための手段として使われており、特に映像の切り取り方には特徴があると論じている。登場人物のバックショットや上から撮影した目線が下向きのショットが多く、あえて観客が登場人物の感情に寄り添えず距離が出るような構図にしているという解説は面白い。またドラン作品は画角についても重要な表現手段だと論じ、映像技法とストーリーのバランスこそが”グザヴィエ・ドラン作品の肝”だと語っている。また監督インタビューでは、繰り返し作品の中で母親を描く理由として、子供のころから母親を観察してきて女性に重要な役割を与えたいこと、そして自分の映画に登場する母親にその女性たちを投影していることなどを語っている。

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作品としては、2014年カンヌ国際映画祭において、83歳の巨匠ジャン=リュック・ゴダールと並び審査員特別賞を受賞した、若き天才グザヴィエ・ドラン25歳の監督作だ。「マイ・マザー」「胸騒ぎの恋人」「わたしはロランス」「トム・アット・ザ・ファーム」に続く5作目で、いまだに彼の代表作だろう。ADHD(多動性障害)を持つ15歳の息子スティーヴとシングルマザーのダイアン、さらに隣家に住む女性教師カイラとの毎日を描いていく。冒頭の画面アスペクト比は1:1でかなり狭い視野から映画が始まるのだが、オアシスの「WONDERWALL」が鳴り響きながら画角が広がる展開などは、グザヴィエ・ドラン監督の真骨頂だと思う。


監督:グザヴィエ・ドラン

出演:アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、アントワン=オリヴィエ・ピロン

日本公開:2015年

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