映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.200:「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は200本目。タイトルは、 ハル・アシュビー監督による作品「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」。特典映像としては無し。さらば冬のかもめ」「帰郷」などのハル・アシュビー監督が手掛けた、1972年日本公開のヒューマンドラマ。ハル・アシュビーは1967年公開「夜の大捜査線」で、アカデミー編集賞を受賞するほどの映画編集マンだったのだが、「真夜中の青春」で監督デビューしている。出演はロマン・ポランスキー監督の「ローズマリーの赤ちゃん」で「助演女優賞」を受賞したルース・ゴードンと、「ミリオンダラー・ホテル」などのバッド・コート。音楽はイエジー・スコリモフスキ監督「早春」の音楽担当でも有名なキャット・スティーヴンスで、素晴らしい挿入歌の数々を披露している。

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主人公は、大金持ちの家に生まれたことから広大な邸宅に住み、何不自由ない生活を送っているが、自殺マニアで死に憑りつかれている少年ハロルド。だがある日、ハロルドは趣味である他人の葬式に参列している最中に、79歳の老女であるモードと出会う。モードは年齢は重ねているが、決して社会のルールに囚われず、毎日を楽しく自由に生きる女性だった。そして彼女と一緒の時間を過ごすことで、やがてハロルドはモードを愛するようになっていくというストーリーだ。今でも米国ではカルト的な人気を誇る作品でありながらも、公開当時は二人が性的な関係になるという描写があるためか、保守的なメディアからは攻撃の対象になったらしい。ただ今観てみると、非常に良くできた青春映画で、いわゆる少年の”イニシエーションもの”として楽しめる。特にモードがハロルドに伝えるセリフの数々が素晴らしい。70年代映画らしいエンディングの余韻も含めて、非常に印象に残る作品だった。日本では長らくソフト化されていなかったらしいが、2013年にやっと初ブルーレイ化されている。

 

監督:ハル・アシュビー    
出演:ルース・ゴードン、バッド・コート、ヴィヴィアン・ピックルズ、シリル・キューザック
日本公開:1972年