映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は208本目。タイトルは、ジョン・ウー監督による1998年公開作品「フェイス/オフ」。特典映像としては「ムービー・ショーケース」「アクション・クリップ」「オリジナル版劇場予告編」。香港ノワールの生みの親であり、「男たちの挽歌」「狼 男たちの挽歌・最終章」を経たのちハリウッドに移り、「ハード・ターゲット」「ブロークン・アロー」を手掛けたジョン・ウー監督の1998年作品だ。本作を大ヒットに導いたウー監督は、その後「ミッション:インポッシブル2」や「レッドクリフ」シリーズを手掛けることになるが、本作はウー監督のハリウッド時代中でも、かなり人気の高い一作だろう。出演は「リービング・ラスベガス」「マッチスティック・メン」のニコラス・ケイジと、「サタデー・ナイト・フィーバー」「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタ。特にジョン・トラボルタは「あなたが好きなトラボルタ作品は?」というアンケートで1位を得るほど、本作は高い支持を得ているようだ。
作品としては、冷酷なテロリストであるトロイが仕掛けた爆弾の場所を、刑務所にいる彼の弟から聞き出すため、FBI捜査官アーチャーが”トロイの顔”を自分に移植しトロイに成り代わるという、かなり荒唐無稽な設定の作品ながら、アクション映画としては滅法面白い。二人が入れ替わってから、それぞれの家族や恋人と接触することで亡くした息子の姿を宿敵の息子に投影したり、反抗的だった娘が心を開いたりといった展開は、本作にアクションだけではないドラマ的な深みを与えている。特に全編を通して出てくる、”顔を手で撫でる仕草”にまつわるシーンは泣ける。もちろんジョン・ウーらしい”白い鳩”や”二丁拳銃”といったトレードマークは健在だし、今観てもガンアクションや爆破シーンは十分に見応えがある。顔だけではなく体格までかなり差のある役者二人が手術で入れ替わるというストーリーは、リアリティ重視の方にはノレない設定かもしれないが、そこだけ無視できれば娯楽映画としては最高に楽しめる作品だ。個人的にはジョン・ウー監督作の中で、一二を争うほどに好きな映画である。