映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は215本目。タイトルは、M・ナイト・シャマラン監督による2001年公開作品「アンブレイカブル」。特典映像としては、「製作秘話」「コミックとスーパーヒーロー」「駅構内のシークエンス:マルチアングル」「未公開シーン(シャマラン監督による解説付き)」「シャマラン監督 少年時代の作品」で計67分が収録されている。「製作秘話」では主演のブルース・ウィリスが、「シックス・センスの撮影中に監督から新作の話をされたから、”やるよ”と答えたら、一年半後に脚本が送られてきたんだ」と言い、監督のM・ナイト・シャマランは「本作は映画全体が”第一章”で、ヒーローであることに主人公が目覚めるまでの話だ。」と、今後「スプリット」「ミスター・ガラス」と三部作になる構想をこの時点で話しているのが面白い。また衣装デザインのジョアンナ・ジョンストンは、「サミュエル・L・ジャクソン演じるイライジャ・プライスの独特な髪型は、黒人解放論者フレデリック・ダグラスから取ったの。完璧なスタイルなのにあえて頭だけアンバランスにしているのよ」と語っている。また再びブルース・ウィリスは「この作品での演技はすべて監督の指示に従った。彼が作り出した人物像を尊重したかったんだ。」と語り、シャマラン監督は「エンディングで評価される映画も多いけれど、結末はあくまで一要素であり見て欲しいのは全体なんだ。そう考えて試行錯誤してきたし、その最良の手段があのラストなんだ。」と、「シックス・センス」の次作である本作「アンブレイカブル」も決してドンデン返しだけが目的の作品ではないことを語っている。
作品としては、「シックス・センス」「サイン」「ヴィジット」など独特な作風で多くのファンを持つ、インド出身フィラデルフィア在住のM・ナイト・シャマラン監督の長編2作目で、本作では脚本/出演/出演も行っている。2021年には「オールド」という新作も公開になったが、現役で定期的に作品を発表できているクリエイターの一人だろう。ストーリーとしては、フィラデルフィアで起こった131人が死亡するという列車衝突事故の中で、たった一人主人公デビッドだけが生存する。「なぜ、俺だけが?」という葛藤の中でイライジャと名乗る”身体が壊れやすい男”が現れ、デビッドこそが使命を帯びた”選ばれし者”だと告げるという、ある種のヒーロー誕生譚だ。この後、「ミスター・ガラス」で再登場する”デヴィッド・ダン”をブルース・ウィリス、”イライジャ・プライス”をサミュエル・L・ジャクソンが演じている。正直、本作の完成度としての評価としてやや厳しい出来だと思うが、M・ナイト・シャマランという映画監督の”作家性”が明確に出た珍作として、決して嫌いにはなれない一本だ。
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ロビン・ライト・ペン
日本公開:2001年