映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は238本目。タイトルはピーター・ウィアー監督による1986年公開作品「ピクニックatハンギング・ロック」。特典映像としては、「ドリーム・ウィズイン・ア・ドリーム(メイキング映像)」「1900年:ハンギング・ロックの想い出(インタビュー・ドキュメンタリー)」「ジョーン・リンジー(原作者)インタビュー」「ゼン・アンド・ナウ(撮影ロケ場所の風景)」「『聖ヴァレンタインの日』(1969年に制作された原作小説初の短編映像化作品)」「スチール&フォトギャラリー」「カレン・ロブスンの電話インタビュー」「ディレクターズ・カット版から削除されたシーン」の計194分が収録されている。約1時間53分にも及ぶ「メイキング映像」では、ミランダ役のアン=ルイーズ・ランバートが、「監督は私たちと距離を置きつつ、現場の雰囲気作りという形で助けてくれたの。俳優とは各役柄に合わせた接し方だったわ。この撮影の時、私は18歳か19歳くらいだったから、監督との年齢差は10歳くらいで、実際には二人とも若かった。私は経験が少なくまともな演技は無理だったけど、彼も”自分は未熟だ”と言っていたわ。今だったら19歳の女優にそんなことは言わないでしょうね」と言い、監督のピーター・ウィアーは「結末にいろんな解釈があるのは素晴らしいことだ。この作品の人気は、何層にも積み重ねた物語の魅力によるものだよ。脚本化し撮影もしたんだけど、編集の段階でこのエンディングではダメだと思うようになったから、”もし、あのことさえなかったら”と観客に考えさせ、事件の前に戻れたらと思いたくなる映像を入れて再編集したんだ。でも結論の無い映画は二度と作らないよ。この映画のような幸運はきっと続かないから。」と語っている。
作品としては、「刑事ジョン・ブック/目撃者」「トゥルーマン・ショー」のピーター・ウェアー監督が、1975年にオーストラリアで製作したヒューマンミステリー。ハンギングロックと呼ばれる岩山で、寄宿制女学校の生徒と教師が忽然と姿を消したという事件を描いた作品で、ジョーン・リンジーの同名小説が原作。1900年のオーストラリアで実際に発生した事件を元にしたとされているが、基本的にはフィクション作品とされている。最後まで観ても、この少女失踪に関する真相が明かされないため、アメリカでは酷評されたらしいが、このエンディングのおかげで今でもカルト映画の名作として名高く、ピーター・ウェアー監督の初期名作として知られている。HDニューマスター版ブルーレイは、かなり美麗な映像が楽しめる上に、監督自身が劇場公開版から7分間カットした「ディレクターズ・カット版」と「オリジナル版」の両方が収録されており、見比べられる仕様は嬉しい。
監督:ピーター・ウィアー
出演:レイチェル・ロバーツ、アン=ルイーズ・ランバート、ヘレン・モース、マーガレット・ネルソン
日本公開:1986年