映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は239本目。タイトルはセオドア・メルフィ監督による2017年公開作品「ドリーム」。特典映像としては、「完成までの数式」「未公開シーン集」「1960年代のNASAをジョージアで再現する」「スティル・ギャラリー」「オリジナル劇場予告編」で計59分が収録されている。「完成までの数式」では、監督のセオドア・メルフィが「脚本の第一稿と企画書を読んで、今してる事を中断しても本作に全力を注ぐべきだと思った。当時「スパイダーマン」の監督候補に挙がっていたけど、金曜に脚本を読んで月曜には、”スパイダーマンは無理だ”と伝えたよ。」と言い、主演のタラジ・P・ヘンソンについて「彼女の中には感情が溢れだしそうなほど満ちている。まるでキャサリン本人を思い出すんだ。役を素早く正確にモノにしてしまうんだよ。」と語っている。またタラジ本人は、「私は数学や化学に疎いの。だから数式を見る度に汗をかいたわ。”数学なんてできないのに”ってね。跳ばなきゃならないハードルだったけど、理解できなくても演じることは出来るってなんとか覚えたの。」と語っている。
作品としては、「ヴィンセントが教えてくれたこと」でゴールデングローブ作品賞にノミネートされた、セオドア・メルフィが監督したヒューマンドラマ。本作も「第89回アカデミー賞」や「第74回ゴールデングローブ賞」で、多くのノミネートを果たしている。1962年に米国人として初めて地球周回軌道に成功した、宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支え、60年代アメリカの黒人差別と女性蔑視に直面しながらも、NASAで活躍した3人の黒人女性たちを描いた作品だ。数学の天才キャサリン役は「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のタラジ・P・ヘンソン、三人のリーダー役ドロシーを「シェイプ・オブ・ウォーター」のオクタビア・スペンサー、奔放ながらも努力型エンジニアのメアリーを歌手のジャネール・モネイがそれぞれ演じている。特にケビン・コスナー演じるハリソン本部長が最高で、「白人専用トイレ」と書かれた看板を壊すシーンは、何度観ても泣けてしまう。またハンス・ジマー/ファレル・ウィリアムスが手掛けた音楽も素晴らしく、ブルーレイで繰り返し観たい傑作だ。
監督:セオドア・メルフィ
出演:タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケビン・コスナー、キルスティン・ダンスト
日本公開:2017年