映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は247本目。タイトルはクリント・イーストウッド監督による1993年公開作品「許されざる者」。特典映像としては、「イーストウッド・オン・イーストウッド」「10周年記念 ドキュメンタリー」「メイキング」「イーストウッド・ドキュメンタリー」「マーベリック:Duel at Sundown」「オリジナル劇場予告編」で、計180分が収録されている。「メイキング」では、監督であり主演のクリントイーストウッドが、「西部劇の感覚を身体でつかむ為には、ロケが最適だ。周囲360度、人影さえない場所を探してロケ地に選んだよ。まるで西部時代に生きてる気分になるんだ。」と言い、「現場では監督の即時の決断が求められることがある。だが、何も思いつかないこともあるんだ。そんな時は役者にすべて任せてみる。自由に歩き回ったり話し合ったりさせると、役者の本能で良い演技をすることがあるんだよ。映画のシーンは絡まった1本の糸のようなものだから、やがて自然に解きほぐされていくんだ。」と語っている。また共演者のジーン・ハックマンも、「クリントは役者に多くを任せてくれる。あれこれ注文をつける監督もいるが、たいていは自分の力を誇示するためのエゴだ。クリントにはそれがないんだ。」とインタビューに答えている。
作品としては、監督/主演をクリント・イーストウッドが務め、彼が師と仰ぐ”ドン・シーゲル”と”セルジオ・レオーネ”に捧げた「最後の西部劇」だ。第65回アカデミー賞では、見事「作品賞」を受賞している。イーストウッドの主演作としては36本目、監督作としては15本目に当たり、「マディソン郡の橋」「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」と並ぶ、彼の主演兼監督作を代表する1本だろう。イーストウッドとワーナーが見出すまで、20年もの間埋もれていた脚本で、西部劇の常識を変えたと言われる映画だ。いわゆる西部劇としての固定概念を捨て去った脚本で、ロマンスも美女も登場せず殺人の愚かさと暴力の本質を問いかけてくる内容は、今観ても衝撃的である。ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマンといったイーストウッドの脇を固める共演者も素晴らしく、本作はアカデミー作品賞に相応しい傑作だと思う。
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、リチャード・ハリス
日本公開:1993年