映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は250本目。タイトルはアレハンドロ・ホドロフスキー監督による、1990年公開作品「サンタ・サングレ/聖なる血」。特典映像としては、「忘れ得ぬ映像:サンタ・サングレの世界」「ホドロフスキー・TVドキュメンタリー」「スプリー・キラーの記憶」「ホドロフスキー監督Q&A」「ホドロフスキー監督インタビュー」「ブリング・ホドロフスキー」「“CLOSE YOUR EYES"ミュージックビデオ」「”ECHECK(監督:アダン・ホドロフスキー)」「削除シーン」「オリジナル予告編/日本版予告編」で、なんと計233分が収録されている。「忘れ得ぬ映像:サンタ・サングレの世界」では、監督が「有名な役者とは仕事をしたくなかった。当初アンジェリカ・ヒューストンとジャック・ニコルソンが出演候補だったが、”スターは私の映画を壊す。名優だがあの二人を使うのは、正気の沙汰じゃない。”と反対したよ。結果的に、演技やパントマイムを学んでいた息子アクセルを推薦したんだが、これは結果的にいい選択だった。」と言い、「”抑圧”と”女性が軽視される現状”がこの作品のテーマだ。男性と女性が共存するには、女性を自由にする必要がある。両者が同じ価値観を持ち、他者を抑圧しない社会だ。それが映画のテーマだよ。」と語っている。また「私の作品は私の精神を現わしている。私は「サンタ・サングレ」で”感情”を描きたいと思ったんだ。たった一人でもいいから、観客の人生を変えられるような芸術作品を作っていきたいね。本作は思い入れが強いし、お気に入りの作品だよ。」とインタビューに応えている。
作品としては、「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」「リアリティのダンス」などのアレハンドロ・ホドロフスキー監督が1990年に日本公開した、サスペンススリラー。監督が“初めて商業映画を意識して制作した”という作品だが、実際にはかなり暴力描写が満載だし、内容も相変わらずホドロフスキー監督らしい世界観と描写に溢れていて、確実に好き嫌いは分かれるだろう。だがストーリー展開は起承転結がはっきりしており、解りやすい映画だ。アクセル・ホドロフスキーやアダン・ホドロフスキーといった実の息子たちが出演しており、このあたりのキャスティングは、この後に続く「リアリティのダンス」や「エンドレス・ポエトリー」にも引き継がれている。”HDニューマスター版”はかなりクリアな画質で、この”血と炎”に彩られた映像美が堪能できて良かった。また特典映像が充実していることも魅力で、アレハンドロ・ホドロフスキーやキャスト陣のインタビュー映像は、興味深くて思わず引き込まれる。
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:アクセル・ホドロフスキー、ガイ・ストックウェル、ブランカ・ゲラ、アダン・ホドロフスキー、サブリナ・デニソン
日本公開:1990年