映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は256本目。タイトルはオリバー・ストーン監督による、1990年公開作品「7月4日に生まれて」。特典映像としては、「NBCニュースアーカイブス:著者、監督、主演が語る作品の背景」で約22分が収録されている。インタビューでは、オリバー・ストーン監督が「この作品は、1950年~70年代のアメリカを描いた映画だ。映画は1976年の民主党大会で終わるが、重要なのは主人公の青年とアメリカの関係だ。主人公は戦争に行き、英雄となったが人生に敗れた。そして地獄を見て戻ってくる。当初とは違う英雄になる物語なんだ。政治的な描写も含まれているが、この作品のテーマではないよ。この作品で描いたことは、我々が直面してきた事実だ。観客に説教するつもりはない。だが行動は示すべきなんだ。」と言い、主演のトム・クルーズは「本作は力強い脚本だったし、役柄にも魅力があった。やりがいを感じたよ。この映画は車イスで生活する男の話じゃない。描いているのは正常な機能を失った国の姿だ。あの時代のアメリカの姿だよ。悲劇の原因は今でも謎だ。だからこそ出演したかった。主人公のロンは完璧な信念で動いている。僕にも似たところがあるから共感できたよ。僕も自分のやることに一生懸命なんだ。」と語っている。
作品としては、「プラトーン」「ウォール街」「JFK」「ナチュラル・ボーン・キラーズ」などを手掛けたオリバー・ストーンが監督した、ヒューマンドラマ。第62回アカデミー賞では8部門にノミネートされている。オリバー・ストーンは「プラトーン」「7月4日に生まれて」の2作品でアカデミー監督賞を2度受賞しているが、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の「スノーデン」以来、監督作品の新作がないのが残念だ。本作はロン・コーヴィックの自伝的小説を映画化した作品で、負傷したベトナム帰還兵と反戦運動をテーマにしている。主演のトム・クルーズは当時「トップガン」でスター俳優になっていたが、その二枚目イメージを覆す熱演で「アカデミー賞主演男優賞」を獲得した。初ブルーレイ化商品ということで久しぶりに鑑賞したが、”反戦映画”として力強いメッセージが伝わる作品で没頭できる。まだ20代のトム・クルーズのストイックな車イスでの演技は素晴らしかった。
監督:オリバー・ストーン
出演:トム・クルーズ、レイモンド・J・バリー、キャロライン・カヴァ、キーラ・セジウィック、ウィレム・デフォー
日本公開:1990年