映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.261:「クロノス HDニューマスター版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は261本目。タイトルはギレルモ・デル・トロ監督による、1998年公開作品「クロノス」。特典映像としては、「メイキング映像」「インタビュー映像集」「オリジナル予告編」で計137分が収録されている。ギレルモ・デル・トロ監督のインタビューでは、「この作品の為に錬金術、吸血鬼、カトリックに関する本を読み、血を飲む儀式である”聖体拝領”について学んだ。また1970年ごろのメキシコでは、”生きた宝石”と呼ばれるブローチが売られていたんだが、それは大きな本物の黄金虫で身に着けると胸の辺りで動くんだ。そんな神秘に感化されて、昆虫が機械の中で生き続けたらどうだろうか?と思った。これらを題材に脚本を書き始めたんだ。『クロノス』は予算的な制約が大きかったけど、『ブレイド2』など様々な影響を与えた作品になったよ。」と言い、「これは最初の監督作品で、2つの大きな影響を受けている。メキシコのメロドラマとテレンス・フィッシャー監督のハマー・フィルム映画だ。だから本作はある部分でハマー・フィルムっぽいけど、少し違った美的感覚もある。撮影期間は40日程度だったが、長いようでタイトだったよ。基本的には別部隊には任せず、すべて自分で撮っている。こだわって撮ったから資金が尽きて家や車を抵当に入れたけど、コンテストに勝てば借金を返せると思ったんだ。こんな感じでこの映画はリスクだらけだったよ。金はなかったが情熱はあったね。」と語っている。

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作品としては、「パシフィック・リム」「パンズ・ラビリンス」「シェイプ・オブ・ウォーター」などで、独特の世界観を持つギレルモ・デル・トロ監督が手掛けた、異色の吸血鬼映画。本作がギレルモ・デル・トロの劇場長編初監督作品で、1993年「カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ」を受賞している。その後、「ブレイド2」「ヘルボーイ」シリーズ「パシフィック・リム」などで、デル・トロ監督作に常連となるロン・パールマンが出演している。デビュー作ながらもダーク・ホラーファンタジーとして完璧にギレルモ・デル・トロの世界観が構築されており、ビジュアルの完成度は高い。さすがにストーリーはかなり粗削りだが、アカデミー監督の処女作として一見の価値はある作品だと思う。


監督:ギレルモ・デル・トロ

出演:フェデリコ・ルッピ、ロン・パールマン、クラウディオ・ブルック、マルガリータ・イサベル、タマラ・サナス

日本公開:1992年