映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.262:「君の名前で僕を呼んで」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は262本目。タイトルはルカ・グァダニーノ監督による、2018年公開作品「君の名前で僕を呼んで」。特典映像としては「会見映像」「メイキング」「“ミステリー・オブ・ラブ"ミュージック・ビデオ」「予告編集」で、計43分が収録されている。「メイキング」では、監督のルカ・グァダニーノが「最初は製作で参加するつもりだったんだけど、着想から9年が過ぎても誰もが情熱を失わず、映画化を強く望んでいたので、最終的に私が監督を務めることにしたんだ。どんな映画でも初めてのことばかりで、手探り状態だ。私にとって映画と言うのは、実験で毎回試みが必要だ。どんな映画も”可能性”であり”結果”ではない。評価は観客がするんだ。」と言い、ティモシー・シャラメは「僕は監督の大ファンだったし、原作を読んだ時に主人公の描き方が絶妙だったから、俳優としてとても興味を持っていた。主人公エリオとオリヴァーは美しくて切ない関係を築くんだ。ピアノは1か月半猛特訓したけど、長回しの演奏シーンは気が気じゃなかった。弾いていると心の声が聴こえてくるんだ。”いい調子だ、しくじるなよ”ってね。でも、あれは素晴らしいシーンだった。」と語っている。またアーミー・ハマー「グァダニーノ監督が描きたかったのは心の揺れで、恋した経験のある人ならだれで共感できる物語だ。世の中は簡単に変えられないし、映画の力で変えることもできない。でも、ある一人の人生に大きな影響を与えることがあるんだ。そういう作品に関われたことを嬉しく思うよ。」と答えている。

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作品としては、「サスペリア」のリメイク作を監督したルカ・グァダニーノがメガホンを取った、ラブ・ロマンス。1980年代の北イタリアを舞台に、17歳と24歳の青年がひと夏の間に繰り広げる恋の行方を、イタリアの美麗な情景とともに描いている。第90回アカデミー賞では「作品賞」「主演男優賞」ほか4部門にノミネートされ、「脚色賞」を受賞している。出演は「DUNE デューン 砂の惑星」「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」のティモシー・シャラメ、「ナイル殺人事件」「コードネームU.N.C.L.E.」のアーミー・ハマー、「ペンタゴン・ペーパーズ 最重要機密文書」「シェイプ・オブ・ウォーター」のマイケル・スタールバーグなど。とにかく本作は撮影が素晴らしく、ティモシー・シャラメアーミー・ハマーの繊細かつ官能的な演技と共に、画面からイタリアの空気感や匂いまでも伝わってくる。また過去のLGBTQの恋愛映画は、周囲から”理解されない”という苦悩や葛藤があったが本作にはそこに圧倒的な肯定感があり、極めて現代的な作品だと感じた。とても繊細かつ、美しい恋愛映画だった。


監督:ルカ・グァダニーノ

出演:ティモシー・シャラメアーミー・ハマーマイケル・スタールバーグ、アミラ・カサール

日本公開:2018年