映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.267:「太陽の帝国」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は267本目。タイトルはスティーブン・スピルバーグ監督による、1988年公開作品「太陽の帝国」。特典映像としては、「ドキュメンタリー」「オリジナル劇場予告編」で計51分が収録されている。「ドキュメンタリー」では、スティーブン・スピルバーグ監督が「純真な子供時代との決別の物語だ。今まで私の作品は子供賛歌が主だった。子供のような純真さを持ち続けることが大切だとね。でもこの作品は戦争の中で、少年が”男”に成長する物語なんだよ。」と言い、劇中で印象的な米軍のB-29パイロットとクリスチャン・ベール演じるジムの目が合うシーンでは、「ここは重要なショットだ。飛行機が少年の間近を通過し、飛行士が彼に笑いかける。これは少年の夢だ。戦闘機がジムを認め、挨拶を送るんだよ。ジムは美しい機体に恋をする。希望を与えてくれるもの出現が彼の想像力を刺激するんだ。私も同じような経験をしたからよく理解できるよ。」と語っている。この「ドキュメンタリー」は、スピルバーグクリスチャン・ベールに細かく演技の演出をつけていたり、飛行機のミニチュアを飛ばす様子が収められていたりと、充実したメイキング映像になっている。

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作品としては、イギリスの小説家J・G・バラードの体験をつづった半自伝的な長編小説を、スティーヴン・スピルバーグが映画化した戦争ドラマ。そもそもは「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」などの超大作を手掛ける、デヴィッド・リーン監督が映画化を構想していたらしいが頓挫し、リーン監督の大ファンでもあり、その意思を継ぐスピルバーグが監督したらしい。音楽はスピルバーグ作品ではお馴染みのジョン・ウィリアムズが担当している。主演は子役オーディションで選ばれ、本作でデビューしたクリスチャン・ベール。本作では子役ながら凄まじい存在感を見せており、現在の破竹の活躍も納得の演技を見せている。1987年度のアカデミー賞では、「撮影賞」「作曲賞」「美術賞」「衣装デザイン賞」にノミネートされたが、結局無冠に終わっており、スピルバーグ監督作の中では世間的な評価も低めで、やや不遇な作品と言えるかもしれない。確かに151分という長尺もあり、ストーリーの推進力も弱いのでやや散漫な印象はあるが、中国ロケされた壮大な映像の数々は見応えがある。


監督:スティーブン・スピルバーグ

出演:クリスチャン・ベールジョン・マルコビッチ伊武雅刀ジョー・パントリアーノベン・スティラー

日本公開:1988年