映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.276:「続 夕陽のガンマン」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は276本目。タイトルはセルジオ・レオーネ監督による、1967年公開作品「続 夕陽のガンマン」。特典映像としては、「メイキング:レオーネの西部劇」「メイキング:レオーネの作風」「ドキュメンタリー:”南北戦争の真実”」「ドキュメンタリー:”復活した完全版”」「モリコーネの音楽と『続・夕陽のガンマン』」「映画音楽史研究家が語るモリコーネの音楽性」「未公開シーン集 (2種)」「予告編集 (2種)」で、計103分が収録されている。「レオーネの西部劇」と「レオーネの作風」では、プロデューサーのアルベルト・グリマルディが「私はイタリアで西部劇を作り始めたんだが、セルジオ・レオーネ以前に優れた監督は一人もいなかった。彼ほどの西部劇を作れる監督は後にも先にもいない。往々にして他の監督のマカロニ・ウエスタンは安っぽくて軽視されていたからね。彼はいつも巨匠の作品を意識していたよ。」と言い、主演のクリント・イーストウッドは「低予算作品で、大作のイタリア映画じゃないんだ。『荒野の用心棒』は製作費20万ドルしかなくて、とにかく資金難だったよ。それでも仕事を受けたのはイタリアやスペインに行けたからさ。万が一にでも作品が大当たりすれば、儲けものだと思っていた。あの革のベストは一点もので代わりが無かったし、帽子やポンチョもあれ一つだけだった。万が一ダメになったら取り返しがつかないので、すべて持ち帰ってホテルの部屋で保管していたよ。昔の出演作は観ないけど、この映画ならたまに観て思い出に浸るのも良いかもしれない。撮影の日々は貴重な体験だったからね。」と言い、「レオーネは長いシーンを好んだ。長さに見合う内容があれば構わないと思う。そういう根拠がなければ私は長い映画は作らないけどね。深遠な物語を語るなら相応の長さが必要だ。そこが彼と私の違いだと思う。彼は巨匠と呼ばれるデイビッド・リーンのような映画監督になりたがっていたんだ。」と語っている。

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作品としては、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」に続いて、セルジオ・レオーネ監督とクリント・イーストウッドがタッグを組んだマカロニ・ウェスタンの名作。ちなみに本作は”続”と付いているが、前作「夕陽のガンマン」はまったくストーリーやキャラクターの関連性はない。原題である「The Good, the Bad and the Ugly」は「善玉、悪玉、卑劣漢」という意味で、キム・ジウン監督の韓国映画「グッド・バッド・ウィアード」は、本作からの影響を公言している。音楽を担当したのは、「ニュー・シネマ・パラダイス」や「アンタッチャブル」のエンニオ・モリコーネ。砲声や口笛が混ぜられている有名なテーマ曲は、コヨーテの遠吠えに似せたらしい。上映時間は178分と約3時間なのだが、とにかく長回しを多用しつつロングショットと極端なクローズアップを対比させていく、セルジオ・レオーネ独特の演出法が特徴で、上映時間に反してまったく退屈させないのが見事だ。リー・ヴァン・クリーフとイーライ・ウォーラックが演じた、極悪人と卑劣漢のキャラクター設定も素晴らしく、この後「ウエスタン」や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」などの傑作を撮ることになる、名匠セルジオ・レオーネ監督のマスターピースだと思う。

 

 

監督:セルジオ・レオーネ
出演:クリント・イーストウッドリー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォーラック
日本公開:1967年


続 夕陽のガンマン (字幕版)