映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.278:「ザ・ブルード/怒りのメタファー 2Kレストア特別版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は278本目。タイトルはデヴィッド・クローネンバーグ監督による、1987年公開(アメリカ公開:1979年)作品「ザ・ブルード/怒りのメタファー」。特典映像としては、「製作ピエール・デヴィッド インタビュー」「撮影監督マーク・アーウィン インタビュー」「アート・ヒンドル [フランク・カーベス役]&シンディ・ハインズ [キャンディ・カーベス役] 対談映像」「ロバート・シルヴァーマン [ジャン・ハートグ役]インタビュー」「監督・脚本デヴィッド・クローネンバーグ 初期作品に関してのインタビュー」「オリジナル予告編」で、計71分が収録されている。


「インタビュー」ではプロデューサーのピエール・デヴィッドが、「この作品の予算は少なかったね。最終的に制作費は250万ドルほどだが、思い切った作品を製作するチャンスだった。恐怖や奇異な要素があるから、観客も見込めるしね。デヴィッド・クローネンバーグとは『スキャナーズ』『ヴィデオドローム』『ザ・ブルード』の三本を作った。アメリカの配給権はロジャー・コーマンが買って、編集を手伝ってたのはジョー・ダンテとジョー・カーペンターだったよ。デヴィッドはこの作品で初めて高評価を得たし、カルト的で時を経ても観られる作品になったと思う。」と言い、撮影監督マーク・アーウィンは、「『ザ・ブルード』は監督の経験に基づいて作られた作品だ。彼の奥さんが娘を連れてアメリカのカルト教団に入り、そこから娘を連れだしてカナダに戻ってきたという経験のね。私が思うにデヴィッド・クローネンバーグの作品は独自のルーツを持っている。スキャナーズ』や『ヴィデオドローム』『ザ・フライ』にも一貫性が感じられるよ。本作のアイデアなんて、デヴィッド以外は思いつかないだろう。この作品は私にとって特別なんだ。デヴィッドの思考に初めて浸かったからね。私たち制作スタッフにとってカタルシスを覚える経験だったよ。」と語っている。

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作品としては、ザ・フライ」「クラッシュ」「戦慄の絆」などの鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督によるホラーで、ここから続くクローネンバーグ流”ボディ・ホラー”系譜の源流とも言える一作だ。クローネンバーグの初期作ということもあり低予算のB級感は強いが、独特の世界観で不思議な怖さのある作品になっている。出演は「グラディエーター」のオリヴァー・リード、「エクスタミネーター」のサマンサ・エッガー、「SF/ボディ・スナッチャー」のアート・ヒンドルなど。2019年に35mmオリジナルネガから2Kスキャン&ネガのキズ修正&音声ノイズ修正などの調整を行い、最新レストアしたマスターをブルーレイ化しているため、映像は非常に美しい。ホラー映画評論家である"ナマニク氏"による12pブックレットも同梱されており、クローネンバーグ監督ファンなら楽しめる一本だと思う。

 

 


監督:デヴィッド・クローネンバーグ

出演:オリヴァー・リードサマンサ・エッガー、アート・ヒンドル、シンディ・ハインズ、スーザン・ホーガン

日本公開:1987年(アメリカ公開:1979年)