映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.287:「パラサイト」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は287本目。タイトルはロバート・ロドリゲス監督による、1999年公開作品「パラサイト」。特典映像としては、「オリジナル予告編」「日本盤予告編」「インタビュー集」で、計23分が収録されている。「インタビュー集」では、ロバート・ロドリゲス監督が「今回の映画は、高校生活の疎外感や抑圧を描いたものなんだ。優れたSF映画というのは、常にリアリティを感じさせる。この映画も高校生活そのものだ。大人への不信感や自分が何者か分からない不安、そんな心の揺れが”侵略”によって増幅される。”エイリアンの侵略”を描くのに、高校ほどふさわしい場所は無いと思うね。今まで誰も撮らなかったのが不思議なくらいだよ。この映画はSFだけど、同時に現実がしっかり描かれている。観客は実際に自分の高校生活を思い出すはずだよ。」と言い、「『スクリーム』を手掛けた脚本のケヴィン・ウィリアムソンとは、事前に2か月かけて打ち合わせしたよ。彼の豊かな創造性は一緒にいてとても参考になるし、ずっと前から仕事したいと思っていたんだ。好きなジャンルが共通してるし、セリフや人物設定が素晴らしい。彼の脚本を読むと、制作意欲が刺激されるんだよ。」と語っている。また脚本のケヴィン・ウィリアムソンは、「これはSFスリラーだ。不気味な男がナイフで人を殺しまくる映画とは違う。『ボディ・スナッチャー』と同じテーマのSF世界の物語なんだ。50年代のSFは”個”と”抑圧”をテーマにしていたが、この映画も同じ流れを汲んでいる。あの時代のSF映画が僕は一番怖いと思っているんだ。初めてこの映画を観た時、これまでのロバート・ロドリゲスの作品とは違うと思った。疾走感や躍動感はこれまで通りだが、それに加えて”焦燥感”が上手く表現されているからね。今の時代に”恐怖映画”を作ろうと考えたら、ユーモアのセンスは不可欠だと思う。今はシニカルな時代だから、恐怖だけをぶつけてもダメだ。観客は同じような映画を何度も観てるし、たいていの事では驚かなくなっている。だから作り手も、ユーモアをまぶしながら恐怖を盛り上げる必要があるんだよ。」と答えている。

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作品としては、「デスペラード」「シン・シティ」「アリータ:バトル・エンジェル」などのロバート・ロドリゲスが監督したホラー映画。脚本は当時「スクリーム」や「ラストサマー」の大ヒットで飛ぶ鳥を落とす勢いだった、ケヴィン・ウィリアムソン出演は「ブラック・ダリア」のジョシュ・ハートネット、「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッド、「ターミネーター2」のロバート・パトリック、「007 ゴールデンアイ」のファムケ・ヤンセン、「エターナルズ」のサルマ・ハエックなど、かなり豪華キャストだ。久しぶりの再見だったが、”青春学園SFホラー”として手堅い作りだし、ケヴィン・ウィリアムソンの脚本もツイストがあって面白い。ロバート・ロドリゲスの初期作として、十分に見る価値のあるエンタメ作品の佳作だ。

 


監督:ロバート・ロドリゲス

出演:ジョシュ・ハートネットイライジャ・ウッドファムケ・ヤンセンロバート・パトリック、アッシャー・レイモンド

日本公開:1999年