映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は291本目。タイトルはデスティン・ダニエル・クレットン監督による、2020年公開作品「黒い司法 0%からの奇跡」。特典映像としては「メイキング」「平等な正義イニシアチブ」「正義のために」「未公開シーン集」で、計32分が収録されている。「メイキング」では、デスティン・ダニエル・クレットン監督が「人種問題をテーマにした作品だからこそ、スタッフには多彩な人種や顔触れが必要だった。それでこそ、いろいろな魅力に溢れた作品になる。撮影が難しいシーンもあったよ。でもそういう時に大事だったのが、様々な意見を聞いて解決策を導くことだ。」と言い、主演のマイケル・B・ジョーダンは「この作品に出られて光栄だ。スタッフの顔触れも多様な人種が集まっていて素晴らしい。彼らは大義の為に仕事をしているんだ。従来の価値観に影響を与えるような機会に恵まれたら、そのチャンスを生かさないともったいない。悔いは残せないからね。」と語っている。また「正義のために」では、ジェイミー・フォックスが「人種は日常的な話題だ。黒人の歴史を正しく伝えるためにも、この作品は重要だよ。この映画ではウォルターの役になり切りたかったんだ。本作は後世に語り継ぐべき重要な作品だと思うね。この作品に期待するのは、中立の立場の人々の意識を変えることだ。観た人の人種に関係なく、意識が変わってくれると嬉しいよ。”差別反対”とね。」と答えている。
作品としては、「ショート・ターム」のデスティン・ダニエル・クレットンが監督した、ヒューマンドラマ。出演は「クリード チャンプを継ぐ男」のマイケル・B・ジョーダン、「コラテラル」「ジャンゴ繋がれざる者」のジェイミー・フォックス、「ルーム」「キャプテン・マーベル」のブリー・ラーソンなど。本作は18歳の少女を殺した罪で死刑宣告を受けた実在の死刑囚と、彼を助けるために圧倒的に不利な裁判に挑んだ弁護士による、法廷での闘いを描いた実話ベースの作品だ。たった40年前のアラバマでは、本当にこんなに理不尽なことが実際にあったのかと驚かされつつ、何度も逆境に立たされる二人の主人公に強く感情移入させられる。黒人差別を描きつつも法廷ドラマとしての質も高く、マイケル・B・ジョーダン&ジェイミー・フォックスの演技も素晴らしい。白人、黒人を越えて人間の尊厳を訴えた終盤の展開は、涙なくてしては観られないだろう。
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・フォックス、ブリー・ラーソン、オシェア・ジャクソン・Jr.
日本公開:2020年