映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.294:「バッファロー’66」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は294本目。ヴィンセント・ギャロ監督による、1999年公開作品「バッファロー’66」。特典映像としては「予告編」のみ。本作や「ブラウン・バニー」などの監督作の他、イエジー・スコリモフスキ監督の「エッセンシャル・キリング」では俳優として主演し、第67回ヴェネツィア国際映画祭では「男優賞」を受賞するなど、マルチな才能を魅せるヴィンセント・ギャロの監督デビュー作である。実は2003年と2007年の「フジロックフェスティバル」にも出演しており、日本人の中ではミュージシャンとしても有名かもしれない。本作でも、初監督/脚本/音楽/主演の4役を務めている。共演は「アダムス・ファミリー」や「スリーピー・ホロウ」のクリスティーナ・リッチ、近作でも「ジョン・ウィック パラベラム」や「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」などの出演作が続いている、アンジェリカ・ヒューストン、「レスラー」「シン・シティ」のミッキー・ロークなど。特にクリスティーナ・リッチが演じた”レイラ”の人気は高く、彼女にとっても本作は代表作の一本になっている。

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作品としては「キング・クリムゾン」や「イエス」といった、プログレッシブ・ロックが印象的に使われているオフビートな恋愛ドラマで、ヴィンセント・ギャロクリスティーナ・リッチの不可解であり、不器用な恋愛劇を描いている。日本版のキャッチコピーは「最悪の俺に、とびっきりの天使がやってきた」で、渋谷のミニシアターで当時大ヒットを記録している。ストーリーとしては、5年の刑期を終え釈放されたビリーは母親との電話で、結婚していないにも関わらず、妻を連れて帰らなくてはならなくなってしまう。そこでトイレに立ち寄ったダンス教室でたまたま居合わせたレイラを拉致し、妻のふりをするように強要する。ビリーの家では強烈な個性の両親に迎えられるが、なんとか事なきを得る二人。そしてレイラは徐々にビリーが持つ孤独な心と純粋さに、惹かれるようになる。だがその一方で、ビリーは5年前に服役することの原因になったある男に復讐しようとしていた、という物語だ。画面の作り方から編集テンポ/演出まで、とにかく”新しいこと”をやろうという、ヴィンセント・ギャロの意気込みを感じる才気走った作品で、特にボーリング場や終盤にあるストリップ小屋の銃シーンは、何度観てもニヤニヤしてしまう。次作の「ブラウン・バニー」があまりピンと来なかったこともあり、個人的にはヴィンセント・ギャロのイメージは、今でも本作のビリー役で固定されている。DVDからの買い替えで今回ブルーレイを購入したが、美麗な画面で作品を楽しめた。

 


監督:ヴィンセント・ギャロ

出演:ヴィンセント・ギャロクリスティーナ・リッチアンジェリカ・ヒューストンミッキー・ローク、ケヴィン・コリガン

日本公開:1999年