映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.315:「Vフォー・ヴェンデッタ」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は315本目。タイトルはジェームズ・マクティーグ監督による、2006年日本公開作品「Vフォー・ヴェンデッタ」。特典映像としては「近未来をデザイン」「ガイ・フォークスと火薬陰謀事件」「メイキング」「イギリス発信:コミックの新時代」「ナタリーのラップ~サタデー・ナイト・ライブより~」「ミュージック・クリップ~CAT POWER~」で、計63分が収録されている。「メイキング」では、プロデューサーであるジョエル・シルバーが「ウォシャウスキー兄弟の第一稿完成は90年代半ばだったが、原作に忠実で中身がとても濃かった。最近に映画としては珍しいよ。彼らは原作から切り口を変えて、主人公イヴィーと”V”の関係に焦点を絞った。アクションは多いが純粋な活劇ではなく、とても難しい映画だ。テロリストを扱っているからね。だが本作は反ファシストや反ホロコースト映画になっていると思うし、内容をどう解釈するかは観客に任せている映画なんだ。」といい、監督のジェームズ・マクティーグは「僕は『マトリックス』の助監督だったんだが、誕生日にウォシャウスキー兄弟が原作をプレゼントをくれたんだ。” Vフォー・ヴェンデッタは読んだか?僕らが製作するから君が監督してみろよ”ってね。感激したよ。サッチャー政権をほのめかしている原作のグラフィックノベルは、80年代に書かれている。でも映画では舞台を近未来にしたんだ。原作の要素を凝縮し、グラフィックノベルを映画に変えていったんだよ。」と語っている。また「この作品はよくヒーロー物に分類されるが、根底は政治スリラーなんだよ。しかもストーリーは複雑だ。主人公は政府が巧妙な手段で、人々を支配していることを市民に気付かせようとする。だが一方で彼には両面性があり、彼を不幸にした人たちを復讐のために皆殺しにしていくんだ。普通のヒーロー物では必ず仮面を外す場面があるが、今回それは絶対に避けようと思った。観客の期待を裏切るのも面白いかと思ったんだよ。」と答えている。

f:id:teraniht:20221205192444j:imagef:id:teraniht:20221205192448j:image
作品としては、「ムーラン・ルージュ」や「マトリックス」三部作の助監督を務め、「ニンジャ・アサシン」「推理作家ポー 最期の5日間」などを手掛けたジェームズ・マクティーグ監督のポリティカルアクション。アラン・ムーアとデビッド・ロイドの同名グラフィックノベルを原作に、マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が製作・脚本を手がけ、ジョエル・シルバーもプロデューサーとして名を連ねている。日本ではPG-12指定で公開された。独裁国家となった未来のイギリスを舞台に、TV局で働くイヴィーが“V”と名乗る仮面の男と出会ったことから、国家を相手にひとりテロ活動を続けるVの思想に触れ、彼の協力者となって自由を取り戻す革命のために立ち上がるというストーリーだ。主人公のイヴィーをナタリー・ポートマン、Vをヒューゴ・ウィーヴィングがそれぞれ演じている。特にナタリー・ポートマンは役作りの為にスキンヘッドになったことが、公開当時話題になっていた。改めて鑑賞するとかなりメッセージ性が強い作品で、エンディングに流れるのが有名なプロテストソングである、ローリング・ストーンズ「ストリート・ファイティング・メン」というのも、作り手からの明確な意思を感じる。シンプルに面白い娯楽映画という訳ではないが、”未知のウィルス”や”メディアの情報統制”などのキーワードは、逆に今観るとリアリティのある作品かもしれない。

 

 


監督:ジェームズ・マクティーグ

出演:ナタリー・ポートマンヒューゴ・ウィーヴィングスティーヴン・レイ、スティーブン・フライ

日本公開:2006年