映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.317:「マトリックス レザレクションズ」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は317本目。タイトルはラナ・ウォシャウスキー監督による、2021年日本公開作品「マトリックス レザレクションズ」。特典映像としては「スタッフ・キャストが語る『マトリックス』」「新たな仮想世界と現実の再考」「ネオとトリニティー:揺るがない絆」「新キャストのインタビュー」「『マトリックス』に捧げる製作者たち」「キアヌとのアクションシーン」「『マトリックス レザレクションズ』名シーンの舞台裏」で、計120分が収録されている。「新たな仮想世界と現実の再考」では、主演のキアヌ・リーブスが「ある日、突然ラナからメールが届いたんだ。”実はマトリックスの新作を計画中よ。どう?”と聞かれたが、僕の答えは”イエス”だったよ。この映画は旧作に言及しているように見えるが、少し違うんだ。前三部作の時には監督がモニターの前にいたけど、今回のラナ監督はいつでもカメラの横にいる。まるで一体化したようにね。以前は事前に指示をもらい、全てにおいて”超パーフェクト”を目指す撮り方だった。とにかく完璧が求められたからね。83テイクくらい撮り、映像を確認しながら、”完璧”に向かってひたすら突き進む。だけど『レザレクションズ』では、以前のようなプロセスがなかった。”その場での準備&撮影”だけになったんだ。まるで過去のすべてが現在に統合されて、1本の作品になった感じだ。こんな映画を撮れるのは天才だけだよ。」と言い、ラナ・ウォシャウスキー監督は「最初、続編に興味はなかったの。トリロジーは完結しているから、いじる必要はない。でもしばらくして私は両親を失ったし、ずっとジェンダーの問題で悩んできた。トランスジェンダーにはとても厳しい世の中よ。私はいつも物語を作ることで自分を落ち着かせてきた。もっと心地よい世界で生きるために、本やファンタジーは大切な存在だったのね。両親を失った悲しみが、私の脳内にネオとトリニティーを復活させたの。苦境の中にある時、アートは自分を癒してくれるから。私の脳はなぜかあの二人を生き返らせたいと望んだのよ。ただし賢い方法で復活させないとね。それに私自身の人生も反映させたかった。ゲームクリエイターたちが口々に、”トランス・ポリティック””隠れファシズム””搾取社会の暗示”などとマトリックスを語るシーンは、過去20年の”私の経験”を書いたシーンよ。みんなが自説を披露するの。ああいう人たちを茶化したシーンなのよ。」と語っている。

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また「リリーと私はきっちりと撮影前に準備する監督だった。それが撮影を仕切る為の最良の方法だったの。映画作りの現場はクレイジーだから、進む方向を把握しておきたかったのよ。不確定な要素が多いと、私はとても不安になってしまう。特に太陽は制御不能だから怖かったわ。光の反射が映像にどんな効果を生むのか想像がつかないから、前三部作では人口照明ばかりのフラットな照明で撮りたかった。だからバレットタイムでは、カメラが回っても太陽は映らないの。でも、今作はその不確実性も愛せるようになった。太陽の下で演技する俳優にマジックが起きて、想像を超える映像が撮れたときに一番の高揚感を味わえる。瞬間的な美しさを捕えたいの。マトリックス』が人生を変え、アートについて教えてくれたのよ。」と語っている。

 

 


作品としては、「バウンド」「クラウド アトラス」「スピード・レーサー」などのラナ・ウォシャウスキーが製作/監督/共同脚本を務めた、18年ぶりの「マトリックス」シリーズ第4作目。説明不要のSFアクション映画における、金字塔シリーズの最新作だ。主人公ネオをキアヌ・リーブス、ヒロインであるトリニティーキャリー=アン・モス、ナイオビはジェイダ・ピンケット・スミスらが続投し、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ジョナサン・グロフ、ジェシカ・ヘンウィック、ニール・パトリック・ハリスらが新キャストとして参加している。マトリックス」の最新作としては、賛否両論あった作品だが、ラナ・ウォシャウスキー監督の想いが溢れた一作であることは間違いない。おそらく次回作はないと思うので、22年続いたマトリックス最終作としても感慨深い作品だ。


監督:ラナ・ウォシャウスキー

出演:キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ジェシカ・ヘンウィック、ジェイダ・ピンケット・スミス

日本公開:2021年