映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.323:「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は323本目。タイトルはクリス・バトラー監督による、2020年日本公開作品「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」。特典映像としては、「ミスター・リンクができるまで」「氷の橋メイキング」「アニメーションのひらめき」「無限の可能性」「マジカルな世界の作り方」「表情のこだわり」「スタジオライカの魔法」「ギャラリー」「予告編集(オリジナル予告編/日本版予告編)」で、計19分が収録されている。各メイキング映像では、クリス・バトラー監督が「プロジェクトの序盤や脚本を書くときは、まずスケッチを描くんだ。最初のMr.リンクのデザインは何年も前のもので、すごくシンプルな形だったから、通称”毛深いアボガド”だった。シンプルで独特なシルエットは記憶に残るし、ストップ・モーション・アニメではうまく行くんだよ。」と言い、視覚効果監修のスティーヴ・エマーソンは、「僕らの使命はストップモーションアニメの限界に挑んで、大きな世界観で語る事だ。果てしなく共感を呼ぶ不朽の物語をね。スタジオ・ライカ作品の映像は独特だ。様々な職人たちが連携して、生み出している。パペットやセットの制作者、撮影チーム、視覚効果チームやアニメーターなど、みんなが協力し合って作品を作っているんだ。」と語っている。またライカの社長兼CEOのトラヴィス・ナイトは、「ライカは実在する魔法の国だ。創造性と革新性に満ちている。ストップ・モーションは原始的なもので、子供の遊びの延長みたいだ。人形遊びから生まれる物語が感動を呼ぶんだよ。ライカの作品作りは手仕事が基本だね。職人の手で命を吹き込み、テクノロジーと融合する。映画を作るごとに創造性と技術力を高めてきた。不可能が可能になって『ミッシング・リンク』が誕生したんだよ。」と言い、声を担当したヒュー・ジャックマンは、「ライカのスタジオを見て驚いた点は、その大きさと関わっている人の多さ、かける時間の長さと芸術的な技術力だ。すべてがカメラで撮影されているんだよ。パペットもセットも実際に存在している。1秒を24コマに分割してパペットを動かし、コマ撮りしているんだ。映画1本の撮影に3~4年かかるんだよ。だから、作り手からのありったけの愛と創造性が注がれているんだ。」と答えている。

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作品としては、「KUBOクボ 二本の弦の秘密」や「コララインとボタンの魔女」などを送り出してきた、スタジオライカの最新ストップモーションアニメで、第92回アカデミー賞では「長編アニメーション部門」にノミネート、第77回ゴールデングローブ賞では「最優秀長編アニメーション映画賞」を受賞している。声の出演はヒュー・ジャックマンザック・ガリフィアナキスゾーイ・サルダナエマ・トンプソンなど、豪華俳優陣が声で命を吹き込んでおり、魅力的なキャラクターに仕上がっている。監督のクリス・バトラーは、ライカの2013年公開作品「パラノーマン ブライス・ホローの謎」の監督で、ややダークな世界観を作り上げていたが今作は「インディ・ジョーンズ風」の冒険活劇という、前作とはガラッと趣を変えた作品になっているのも面白い。本作はアカデミー賞では「トイ・ストーリー4」に敗れ、あまり世界興行収益も芳しくなかったようだが、「ストップモーション・アニメーション」という、想像を絶するほどの作業量から生まれた傑作なので、ブルーレイで細部まで何度も観直したい。

 

 


監督:クリス・バトラー

声の出演:ヒュー・ジャックマンザック・ガリフィアナキスゾーイ・サルダナエマ・トンプソンティモシー・オリファント

日本公開:2020年