映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.324:「ブリット 日本語吹替音声追加収録版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は324本目。タイトルはピーター・イエーツ監督による、1968年日本公開作品「ブリット」。特典映像としては、「スティーブ・マックイーン:男の神髄」「編集技術の魔法」「ブリット:リアリティーへの挑戦」「オリジナル劇場予告編」で、計200分が収録されている。「ブリット:リアリティーへの挑戦」では、主演のスティーブ・マックイーンが「芝居じみた作品ではなく、現実に近い映像を求めた。実際の病院でロケしたし、医師も看護師も役者ではなく本物に出演してもらったんだ。本物を超える演技はないからね。本作ではセットで撮った映像はないんだ。本物の設計事務所などに、機材やカメラを手に撮影部隊が乗り込むのだから、社員にとっては迷惑な話だよね。だけどみんな親切で、本物らしく見えるようにアドバイスまでしてくれた。」と言い、「本作のカーチェイスはかなり危険で、タイヤがぶっ飛ぶ可能性もあった。こんな危険な撮影はこの先もないだろうね。相手は世界一のスタントドライバーだが、僕は最悪の腕前だ。さらに8人のスタントを用意して、歩行者として演じてもらったよ。彼らなら時速160キロで、車がどう動くか分かる。そのスピードで何か起きれば大事故だからね。広範囲に及ぶ撮影だったから、50人近くの撮影クルーを配置したよ。」と語っている。またピーター・イエーツ監督は「スティーブ・マックイーンは徹底的に役柄を研究して、独自の感情表現をする。自分が納得できる形を見い出すんだ。ヒロインを演じたジャクリーン・ビセットを選んだのは誠実なイメージがあるからだ。スティーブの相手役だから、かなり慎重に選んだよ。偽善者ぶった女性では彼と合いそうにないからね。」と答えている。

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作品としては、「ヤング・ゼネレーション」のピーター・イェーツが手掛けた、ハリウッド進出第1作目の監督作。1968年アカデミー賞では「編集賞」を受賞し、現在ではアメリカ国立フィルム登録簿に登録されている。メイキングでも語られているが、撮影用のオープンセットを全く使用せず全て実際の場所で撮影しており、リアリティ重視の作品になっている。特に中盤で繰り広げられるカーチェイスは、「ブリット」の代名詞的な場面で、現在でも映画史に残る名スタントシーンだろう。出演は「大脱走」「パピヨン」のスティーブ・マックイーン、「荒野の七人」のロバート・ボーン、「袋小路」のジャクリーン・ビセットなど。先日、スティーブン・スピルバーグブラッドリー・クーパーを主演にし、「ブリット」のオリジナルストーリーのスピンオフ作品を監督するというニュースが発表されていたが、本作はスティーブ・マックイーンの代表作の一本だと思う。終盤の飛行場のシーンは、マイケル・マン監督の「ヒート」にもそっくりなカットがあるし、大きな影響力のある作品だ。

 

 

監督:ピーター・イエーツ
出演:スティーブ・マックイーンロバート・ボーンジャクリーン・ビセットドン・ゴードンロバート・デュヴァル
日本公開:1968年