映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.326:「七人の侍」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は326本目。タイトルは黒澤明監督による、1954年日本公開作品「七人の侍」。特典映像としては「特報/予告編」のみ。世界の巨匠”黒澤明”の最高傑作であり、恐らく世界で最も有名な日本映画である本作。1960年にはジョン・スタージェス監督、出演ユル・ブリンナースティーブ・マックイーンらというキャストによって、舞台を西部開拓時代のメキシコに移したリメイク作品「荒野の七人」が作られているし、さらに2016年にはそのリメイクとして、アントワーン・フークア監督「マグニフィセント・セブン」という西部劇が製作されており、現在でも脈々と映画史に影響を与え続けている作品だ。英国の雑誌「エンパイア誌」の”史上最高の外国語映画トップ100ランキング”で1位、2018年にBBCが発表した「史上最高の外国語映画ベスト100」でも1位に選ばれている他、アメリカのエンターテイメント情報誌「VARIETY」の”The 100 Greatest Movies of All Time”でも、「市民ケーン」や「2001年宇宙の旅」などに並んで、第6位にランクインしている。東宝が通常作品の7倍という巨額の製作費を投じ、1年近い撮影期間をかけて作った娯楽映画の金字塔的な作品だろう。

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作品としては、「羅生門」「隠し砦の三悪人」「用心棒」などを手掛けた黒澤明の1954年作品で、黒澤監督作品全30本のうち14本目に制作された映画だ。シナリオも共同執筆者はいるが、監督本人が書いている。野武士が野盗化していた戦国時代を舞台に、虐げられた貧しい百姓たちに7人の侍が雇われたことから、侍と百姓たちが力を合わせて野武士の群から村を守ろうとする姿を描いており、マーティン・スコセッシジョージ・ルーカスアンドレイ・タルコフスキーなど、海外の映画監督にも多大な影響を与えている。また207分という超大作だがまったく飽きるシーンがなく、1つのシーンを複数のカメラで同時撮影するマルチカム撮影や、望遠レンズの本格導入、矢で射られるシーンでワンショットに見せるための”テグス方式”の採用、クライマックスの合戦シーンで雨をより激しく見せるため、水の中に墨汁を混ぜての撮影など、当時では斬新な撮影手法が多く採用されている。出演は、生涯にわたり黒澤映画に16本出演した三船敏郎を筆頭に、「羅生門」「ゴジラ」などの志村喬、「蜘蛛巣城」の木村功、「日本のいちばん長い日」の宮口精二、「ひめゆりの塔」の津島恵子など。本ブルーレイは、現存フィルムを元に4K解像度で修復が行われた「4Kリマスター版」のパッケージ化であり、モノクロ作品独特のコントラストが美しい。一年に一回くらいは観返したくなる、日本が世界に誇るマスターピースだろう。

 

 


監督:黒澤明

出演:三船敏郎志村喬木村功、稲葉義男、宮口精二千秋実加東大介津島恵子

日本公開:1954年