映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は356本目。タイトルはジョエル・コーエン監督による、1992年日本公開作品「バートン・フィンク」。特典映像としては、特になし。「ブラッド・シンプル」「ファーゴ」「ノーカントリー」を手掛けたコーエン兄弟のジョエル・コーエンが監督したサスペンス。ただし脚本と製作にはイーサン・コーエンも名を連ねているので、事実上はコーエン兄弟監督作品だろう。1992年の第64回アカデミー賞では「助演男優賞」「衣装デザイン賞」「美術賞」にノミネートされており、カンヌ国際映画祭ではパルムドール、監督賞、主演男優賞の3冠に輝いた作品だ。さらに撮影監督にはサム・メンデス、ドゥニ・ヴィルヌーヴ作品でもお馴染みのロジャー・ディーキンスが起用されており、画面のクオリティも非常に高い。出演は「ドゥ・ザ・ライト・シング」「オー・ブラザー!」や、近作でも「THE BATMAN ザ・バットマン」で悪役ファルコーネを熱演していたジョン・タトゥーロ、「ビッグ・リボウスキ」「キングコング 髑髏島の巨神」のジョン・グッドマン、「夫たち、妻たち」のジュディ・デイヴィス、「レザボア・ドッグス」のスティーブ・ブシェーミなど。
1941年、ブロードウェイで高い評価を受けた新進気鋭の劇作家バートン・フィンクは、映画会社から映画の脚本を依頼され、ハリウッドのホテルで執筆することになる。だが部屋は異様に蒸し暑く、壁紙が剥がれくるような劣悪な環境もあり、なかなか筆が進まない。そんな時、隣の部屋から男の不気味で大きな笑い声が聞こえてきたため、フロントにクレームをつけると、その男が怒ってバートンの部屋に乗り込んでくる。男はチャーリーと名乗る巨漢で、保険のセールスマンだったというのが本作の序盤の展開だ。久しぶりにブルーレイで鑑賞したが、さまざまな考察が可能な深みのあるで、相当に面白い。特に中盤以降、大きくストーリーが飛躍するポイントがあるのだが、そこからの展開と”彼の正体”については、宗教的な観点も含めて広い解釈ができる作りになっていると思う。何度も観返したくなるタイプの快作だ。
監督:ジョエル・コーエン
出演:ジョン・タトゥーロ、ジョン・グッドマン、ジュディ・デイヴィス、スティーブ・ブシェーミ
日本公開:1992年