映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は357本目。タイトルはテイラー・シェリダン監督による、2021年日本公開作品「モンタナの目撃者」。特典映像としては、「メイキング」で計14分が収録されている。「メイキング」では、主演のアンジェリーナ・ジョリーが「美しくて心に響く物語を描く映画は、とても少ないわ。本作のように魂を感じる映画もね。本作の設定はモンタナ州なんだけど、撮影できなくてニューメキシコ州で撮影したの。標高が高く泥だらけで疲労困憊だったけど、背中を押してくれる人たちがいたから、自信をもって初めてのアクションにも挑戦できた。本作には山火事や逃走劇、殺し屋が登場したり暴力的なシーンもある。でも美しい友情や愛と献身も見られるのよ。」と語り、監督のテイラー・シェリダンは「この物語の魅力は3つのテーマが集約されているところだね。生き残りを懸けた戦い、葛藤する少年、そして贖罪を背負う女性の物語だ。都市での暮らしが当たり前になると自然とのつながりが希薄になる。だから本作は”自然”に焦点を当てたかったんだ。どうやって山火事の炎を再現するのかと聞かれたから、120ヘクタールの撮影用の森を作り、実際に火をつけると答えたよ。山火事の脅威を観客に感じてもらいたかったんだ。」と言い、「女性の主人公の場合、典型的な描き方をされる場合が多い。女性という先入観に打ち勝ち、最終的にヒーローになるというね。でも本作は違うんだ。アンジーは役柄の個性や複雑な内面を理解してくれたし、身体能力も申し分ない。彼女は全てを兼ね備えていたから、出演を辞退されなくて良かったよ。」と答えている。
作品としては、ドゥニ・ヴィルヌーブ監督「ボーダーライン」シリーズの脚本を手掛けながら、「ウインド・リバー」なども監督するテイラー・シェリダンの監督最新作。主演は「トゥームレイダー」「マレフィセント」のアンジェリーナ・ジョリーだが、本作は彼女にとって11年ぶりのアクション映画主演作となっている。共演は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルト、「ダークナイト ライジング」のエイダン・ギレン、「フォードvsフェラーリ」のジョン・バーンサルなど。権力者の秘密を抱えた少年とその命を狙う暗殺者、そして少年を守る女性森林消防隊員を描いたサバイバルサスペンスで、過剰な派手さはないがテイラー・シェリダンらしい骨太な良作だと思う。年齢を重ねた主演のアンジェリーナ・ジョリーも魅力的だったし、子役のフィン・リトルも脅威の演技力で、次の主演作が楽しみになる好演であった。
監督:テイラー・シェリダン
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ニコラス・ホルト、フィン・リトル、エイダン・ギレン、ジョン・バーンサル
日本公開:2021年